心配とさら地
俺とエイゼと学園長で正門に向かうと、ダストル先生がケヴィンさんとリシャールとともに、俺たちのことを待っていてくれた。
俺たちが来たことに気づくと、ケヴィンさんとリシャールさんは、すぐ学園長に挨拶していた。
「お久しぶりです、ロイル学園長。このたびは、療養中にも関わらず捜査に、ご協力いただきまことに感謝いたします」
「いえいえ。お気になさらないでください、ケヴィン副本部長殿。療養中といえども、我が学園の優秀な先生によって、傷は完治しておりますので。リシャール君も久しぶりですね。近衛騎士団副団長のほうはどうですか?」
「ぼちぼちといったところでしょうか。まだ副団長になったばかりなので勝手や振舞い方などはあまり分かりませんが、魔法等の技術はここで学んだことがとても生きています」
「そうでしたか。そういってくれると、こちら側も教え甲斐がありますよ」
謙遜しあう2人の会話にもひと段落したところで、目的地に向かって歩き始めた。
目的地に着くまでも、学園長はケヴィンさんとリシャールさんとダストル先生とともに話しながら歩いていた。
俺は、エイゼの様子を気にしながら歩いていた。
すると、俺が気にしすぎていたためかエイゼが話しかけてきてくれた。
「そんなに気にしなくても大丈夫だよ。私って、昔あった嫌なこととかを思い出すとこうなっちゃうの」
「そうなんだ。でも、何かあったら相談してね。家族関係のことだと、身内には話しづらいだろうし」
「ありがとね、ラクト君。でも、本当に大丈夫だから。それに、今の私に必要なのは自分で解決する力だから。いつまでも他の人に頼るわけにはいけないんだ。まあ、どうしようもないときは相談するから、そのときはよろしくね」
エイゼはこういってくれたものの、たぶん相談はしてくれないだろう。
それが、俺の力不足と見られてのことならどうにかするしかないな。
あとは、エイゼの気持ちしだいだけど。
そうこうしていると、現場のある森に通じる道の目の前まで来ていた。
「現場はこの先です」
そう言って、ダストル先生が先頭を歩いていった。
歩き始めてほんの少ししたところで、急に先生が立ち止まった。
その事態に驚き、学園長は先生に確認を取る。
「どうしたのかね?目的地まではもう少しあるはずだが」
「いえ、もうつきました」
先生がそう言ったのでその先を確認してみると、驚きの光景が広がっていた。
なんと、先生の先にはむき出しの土以外の何もなかったのだ。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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