豪華な装飾と黒檀の扉
魔道学園の裏にある豪邸には、魔道学園で働いている教職員や、魔道学園の学園長であるロイル・クラリス一家が住んでいる。
1、2階は教職員の部屋で、3階から5階まではクラリス一家のスペースとなっている。
最上階の5階は学園長の書斎と寝室しかないため、他の階と比べると少し狭めになっている。
俺たちは、現場での調査を行うために、休んでいる学園長を呼びに行っている。
階段を上がって行こうとしていたとき、3階への階段に警備員が立っていることに気がついた。
「エイゼ様、その方はどちら様ですか?」
『その方』とは、おそらく俺のことだろう。
エイゼが隣に居るのに確認を取ってくるとか、ほんとに厳重だな。
「この人は、ラクト君。私のクラスメイトで、昨日の件の関係者。別に怪しくはないから大丈夫よ」
「そうでしたか。では、どうぞお通りくださいませ」
そう言われた俺たちは、3階へと通ずる階段を上った。
階段を上がり丁度3階に到達すると、一気に装飾が豪華になったことが分かった。
別に1、2階の装飾が派手でなかったという訳ではない。
この階が豪華すぎるのだ。
そのまま階段を上げって行くと、4階も3階と同じような装飾が施されていた。
もちろん、5階も同じだった。
さすが、国家直属の学園の学園長一家が住んでいる階層なだけある。
5階には、豪華な装飾と真っ黒な木で造られた扉があった。
「なあ、エイゼ。あの木って、もしかして黒檀か?」
「そうだけど。よく気がついたね。」
黒檀は、この世界でとても貴重な木の一つだ。
それを使った扉とか、さすがとしか言えない。
当たり前のごとく、扉の前には人が居た。
ただし、今までとは違い鎧を着て剣を装備している騎士が2人立っていた。
「ご苦労様です。おじい様は中に居ますか?」
「はい、いらっしゃいます」
「そうですか。あ、今私の隣に居るのは知り合いなのでお気になさらず」
「そうですか。では、今開けますね。ロイル様、エイゼ様が御用のようなので開けてもよろしいでしょうか」
「いいぞ」
片方の騎士が部屋の中に居る学園長に確認を取ると、中から学園長が許可した声が聞こえてきた。
それを聞いた二人の騎士が扉を開ける。
「それじゃあ入るよ、ラクト君」
「大丈夫だ、問題ない」
学園長の部屋だということで緊張していた俺だったが、エイゼにそう言われ気にすることなく部屋に入ることにした。
その扉の先には、数えきらないほど部屋いっぱいに置かれている本と、くつろぎながら本を読んでいる学園長の姿があった。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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