来訪と先輩
コンコン・・・
俺たちが応接室で待っていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
それを聞いた先生が席を立ち上がり、ドアを開けた。
「お二方、どうぞお入りください」
「失礼する」
「失礼します」
そう言って、2人の男性が入って来た。
2人の男性が席に座るのを先生は確認すると着席して話し始めた。
「今回は、王都から遠い位置にある魔道学園までいらっしゃっていただきありがとうございます」
「まあまあ、そう硬くならんでも大丈夫だよ。わしらも久しぶりにダストル先生に会えて嬉しいからの」
「そう言っていただけると有難いです、ケヴィン・ハーネさん」
先生がケヴィン・ハーネと言った人は、黒髪に所々白髪が混じっているお爺さんのような男性だ。
ぱっと見はそこまで強そうではないが、彼から感じ取れる魔力はとてつもない。
さすが魔王軍対策本部、副本部長なだけはある。
ということは、もう1人の若そうな男性が近衛騎士団副団長のリシャール・ランジェなのだろうか。
「リシャール・ランジェさんもお久しぶりです。と言っても、今年の入学式にあったばかりですが」
「そうですね、ダストル先生。でも、先生がまだ魔道学園で働いていたと知った時は驚きました」
「私もまだまだ現役ですよ。まあ、今は教え子の方がえらいから何とも言えないのですが。おっとすまん、このお二方の説明をし忘れていたな」
そう言って、先生は2人の説明をしてくれた。
ケヴィン・ハーネの方は事前に聞いていた通りだったが、なによりも驚いたのは先生とリシャール・ランジェとの関係だ。
なんと、リシャール・ランジェは魔道学園の卒業生で先生の教え子だったのだ。
「君たちはここの生徒だよね。これからは僕のことを先輩って呼んでいいからね」
リシャール先輩はとても優しく、俺たちに話しかけてくれた。
とここで俺は気づいてしまった、まだ2人に自己紹介をしていないことを。
それにはエイゼも気がついたようで、2人で自己紹介することにした。
「申し遅れました。私は本学園学園長であるルイロ・クラリスの孫で現在在学中のエイゼ・クラリスと申します」
「同じく在学中のラクト・ベルメスと申します」
「おお、そうか。君たちが今年の最初の課題試験で満点を取った2人か。まさか、あそこまで高度なことをしてしまうとは驚いたぞ」
「そうですね。エイゼさんの魔法の才能にラクトくんの様々な知識が噛み合ってできたと聞いています。僕たちの学年にそんなことをした人はいませんでした。とても素晴らしいことだと思いますよ」
どうやら、2人から見た俺たちの印象は結構良いようだ。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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