マジックキャンセルと神級魔法
人類でも使える数が限られてくる魔法、超級魔法を高火力で放ったマーズ。
それに対し、それを受ける学園長は何の対策をしようともせず、ただ突っ立っているだけだった。
俺はこのまま学園長が魔法に飲まれると思っていた。
マーズが放った魔法は一直線に学園長の方に飛んでいった。
魔法が学園長に直撃し、激しい爆発が起きた。
あたりに白煙が舞い、学園長の様子を確認することができなくなっていた。
煙が消え、学園長の姿が見えてきた。
そこには、あれほどの魔法を受けたのにも関わらず無傷の学園長がいた。
「え?何で無傷なの?エイゼ、これって嘘だよね。俺の目の錯覚だよね」
「そんな訳ないじゃん。てか、ラクト君は知らなかったんだね、お爺ちゃんの固有魔法のことを」
「え、学園長って固有魔法持ってたの!」
「当たり前じゃん。お爺ちゃんの固有魔法はマジックキャンセルって言うんだ。この固有魔法はこの世にあるあらゆる魔法による攻撃を防ぐ効果があるんだ」
「それは確かに強いけど、いくらなんでもずるくない?それじゃあ魔法で何されても死ぬどころか傷一つ付かないじゃないか」
「もちろん、これが無条件で使えるわけないじゃん。この魔法は、発動してから10秒しか効果がないんだ。さらに一度使うごとにマナをかなり使うから、たくさんマナがあるお爺ちゃんですら一日に三回しか使えないんだ」
なるほど、それなら妥当なマイナス効果だな。
ということは、学園長はマジックキャンセルをあと2回しか使えないのか。
このマジックキャンセルを見て驚いたのは俺だけでなく、マーズも同じだった。
「どうじゃマーズよ、驚いたか。これがわしの固有魔法じゃよ」
「まじかよ、俺の超級魔法を生身で受けて生きてたのは爺さんが初めてだぞ。まあ、魔法の説明はあんたの孫がしてくれたしな」
「え?私の声聞こえてたの?」
「小声で話してたから聞こえないと思ったか?残念だったな、元神にもなると五感がめちゃくちゃすぐれてるんだよ」
元神は元神でなかなかずるい能力を持ってやがった。
そんな元神は学園長の固有魔法に驚いたものの、諦めることはしなかった。
「じゃあ爺さんよ。俺が使う次の魔法でラストにしようぜ。爺さんの固有魔法には絶級魔法は効かないだろうからな」
「だろうな。でも、他の魔法でわしをどうこうできると思うのか?」
「確かに普通の魔法じゃ効かないだろうからな。だからこそ、俺にしか使えない魔法、神級魔法で終わりにしてやるよ」
こうして、元属性神元魔王郡幹部のマーズ対魔道学園学園長のロイル・クラリスによる最後の戦いが始まろうとしていた。
どうもMontyです。
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