魔法対決とチート
学園長が宣戦布告したことにより、2人の戦いが始まった。
最初は互いを探るような戦いが続いた。
マーズが初級魔法を発動させると、学園長も同じ魔法を同じ威力で発動させ相殺させていた。
魔法の打ち消しあいは、魔法がぶつかるときに空気の波動が発生する。
初級魔法は使われているマナ量が少ないこともあり、発生する波動が少なく心地よい風のように感じる。
しかし、中級魔法になると風圧で押し倒されそうになってしまった。
上級魔法になると、その風圧により立っていることさえ不可能になった。
超級魔法のぶつかり合いになる前に、俺たちは少し距離をとり伏せながら様子を見ることにした。
2人は俺たちがある程度安全なところまで行ったところで、互いに魔法を唱え始めた。
先ほどと変わらず魔法をぶつけ合う2人だったが、その威力は上級魔法とは比べものにならなかった。
上級魔法と超級魔法の差はとても大きいもので、マナ使用量が一気に増えたり、使用者への負担が重くなったりする。
なので、上級魔法を使えるものはそれなりにいるのだが、超級魔法を使えるものとなると一気に減るのだ。
そんな使える者が限られてくる超級魔法を平然と扱う二人。
といっても、超級魔法を使っているのが元属性神であるマーズと、三英雄の家の一人の子孫である学園長だから普通なのかもしれない。
と考えていると、二人が魔法を放った。
2人の魔法がどんどんと接近していき、ぶつかり合った瞬間に物凄い波動が発生した。
その波動はあたりの木々をなぎ倒し、そのまま飛んでいってしまった。
これでまだ超級魔法というのだから、これから絶級魔法が使われると思うととても恐ろしい。
そうしていると、マーズが絶級魔法の発動させようと準備を進めた。
それに対して、学園長は今までとは違い魔法を唱えていなかった。
「エイゼ、何で学園長は魔法を唱えないんだ?このままだとマーズに殺されちゃうぞ」
「大丈夫だよ、ラクト君。おじいちゃんは絶級魔法は使えるけどそこまで威力が高くないんだ」
「だったら大丈夫じゃないじゃん」
「まあ、見てれば分かるよ」
そう言われたので俺は学園長のほうを見た。
そのとき、マーズが絶級魔法を発動させた。
発動された魔法は学園長の方へ真っ直ぐ進み、そのまま直撃した。
ように、俺には見えた。
しかし、そこにいたのは無傷の学園長だった。
「これがお爺ちゃんの固有魔法であらゆる魔法を無効化する魔法、パーフェクトキャンセルよ」
これを聞いて俺は思った。
ただのチートじゃないかと。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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