暗闇の種類と風力での振り払い
暗視魔法であるナイトビジョンを使っても、視界の明るさは全く変わらないままだ。
となると、この暗闇の原因はいくつか絞られてくる。
あくまで推測のレベルだが、魔法は性質的にぶつかり合うと基本的にはレベルが上の魔法が勝り、下の魔法がかき消される仕組みだ。
この仕組みだと、もしかしたらこの暗さはただ明かりがないから発生する暗さではなく、ナイトビジョンと同じ上級魔法、またそれ以上の魔法の力によって視界が奪われているのかもしれない。
その場合、相手は魔法が使えるということになる。
しかし、例外もあると思うが魔法を使う魔物なんて今まで聴いたことがないし、様々な本を読んできたがその中にもそんなものは一文たりとも見たことがない。
だとすると、この可能性は捨てるとまでは行かなくともほぼないと考えていいだろう。
他の考えとしては、ナイトビジョンの効果として光がないところでの一定の空間である程度の視界を確保してくれるというものだから、この効果の対象外の暗さだったらナイトビジョンが効かないかもしれない。
これだと分かりづらいが、分かりやすくたとえるとすると、『黒煙のなかにいる』というのに近いのかもしれない。
黒煙のような暗さなら、いくらナイトビジョンを使ったところでその煙自体を払わないと明るくなることはない。
他にもいくつかこの暗さの理由になりそうなものは頭に浮かんだが、どれも現実味がないものばかりだった。
となると、1つ目も暗さの原因としての確率はかなり低そうなので、2つ目のナイトビジョンの効果の対象外の暗さである可能性が濃厚だ。
だとしたら、どうやって明るくすればよいのだろうか。
たとえとして考えていた黒煙が下人だとしても、煙なら通常の呼吸でそれなりの時間ここにいることは不可能なはずだ。
試行錯誤の結果、とりあえず今俺たちは暗さを除くすべての効果がない黒煙の中にいると仮定して考えることにした。
フロアボスの魔物も、その黒煙を吐くのだとでも思っておこう。
もしこの仮定どおり黒煙なら、風の力を使って振り払うことが可能なはずだ。
勿論今の俺には、周囲威力のある風を発生させることなどできないので魔法担当の二人に力を借りる。
「エイゼ、リーザ。2人に頼みがあるんだ。何でもいいから風属性魔法で辺りに大きめの風を吹かせてくれ」
俺の声を聞いた二人は、「分かった」と返事をした後に魔法を発動させた。
魔法による風が、俺の頬に当たり心地よい。
それだけでなく、風は視界にも変化をもたらしてくれたのであった。
どうも、Montyです!
今回もお読みいただきありがとうございます!
何とかインフルのほうも良くなり、昨日1月31日(自分の誕生日)を持ちまして1月を終えることができました。
投稿を再開してからは、一ヶ月があっという間でした。
この調子で短い2月も頑張っていきたいです!
また、良ければブクマ、感想、評価等よろしくお願いします!




