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固有魔法と無謀な偵察

衛兵とは、国から各地域に配属された治安を守る人のことを言う。


衛兵は簡単になれるものではなく、何度も行われる厳しい試験を突破したもののみがなれるとても名誉のあるものだ。


さらにすべての人が試験を受けられるのではなく、魔道学園(マジックアカデミー)のような魔法専門学校を卒業したもののみが受けられので、数はそこまで多くない。


それに対し一人ひとりが戦力としてはとても大きいものであり、一般兵士10人と同じくらいだ。


しかも、装備している武器には上級魔法のエンチャント、防具にはエンチャントした術者が使えないレベルの魔法以外を完全遮断する無属性魔法の『マジックブロック』が付与されている。


しかも、マジックブロックをエンチャントしているのは、王国の宮廷魔導師だ。


魔法は初級、中級、上級、超級、絶級、神級の6つがある。


その中で上級魔法まで使える者のことを魔道士と呼び、それ以上の魔法を使える者を魔導師と呼ぶ。


ただし神級の魔法は名前の通り、神が使うような世界を滅ぼせるレベルの魔法なので、人間には使えない。


宮廷魔導師とは絶級魔法を使えて、国に使えている者を指している。


そのため、人間が使える魔法は全てマジックブロックによって塞がれてしまう。


ということは、今回衛兵を倒したのは神級の魔法を使える者である。


これを説明してくれたのはエイゼだ。


衛兵が殺されたところまでは聞いていたのだが、その後は朝がいつもより早かったため眠ってしまっていた。


幸いなことに、1番後ろの列だったため先生にはバレなかった。


だか会議が終わり人が少し減っていたため、退場した人には見つかっただろう。


エイゼは俺を起こしてくれたあと、話の内容を要約して伝えてくれた。


エイゼが説明を終えると、タイミング良く先生がやってきた。


てか、この人はいつもタイミングが良いな。


俺がそう思っていると、


「ラクト、今俺のタイミングが良いとか考えてただろ」


「え、なんでわかったんですか?もしかして顔を出てましたか?」


「いや、みんな俺のタイミングの良さに気づくのが、会ってからこのくらいの時期だからだよ」


「へー。でも、このタイミングの良さは偶然ですよね」


「いや、これは俺の固有魔法の『アワーネス』だ。この魔法は要するに色々と察知することができるんだ。まあ、アワーネスは無属性魔法にもあるんだが、俺のはタイミングを察することができるんだよ。しかも、マナをほとんど使わず常時発動できる。まあ、使い方によるがあまり戦闘向きではないけどな」


固有魔法とはその名の通り、その人またはその家系にのみ使える魔法だ。


種類は、あるだけで人生が変わるようなものから、有っても無くてもあまり関係ないものまで様々だ。


「それはそうと、俺たちの方に来たってことは何か用があるんじゃないんですか?」


「そうだった、これから俺と一緒に偵察に来てもらいたい」


そう言われて俺たちは驚いた。


あの衛兵ですらを倒してしまう奴の元に、俺とエイゼと先生の3人だけで行くというのは無謀だからだ。


そのことについて言ってくれたのはエイゼだった。


「先生、いくらなんでも無茶すぎます。たった3人で行ったところで、返り討ちにあうだけですよ」


「まてまて、誰が戦いに行くと言った。俺が言ったのはあくまで《偵察》だ。奴は基本的に焼き払った場所以外には出ないらしい。今回の偵察は、焼き払った場所の外から見る。だから、大丈夫だ」


「だと良いんですけど」


エイゼが不安なのはよく分かる。


いくら出てこないと言っても、見つかったら範囲内から攻撃されるかもしれない。


それに気になる点もある。


それについては俺が聞くことにした。


「先生、偵察に行くのは分かりましたがなぜ俺たちなんですか?3年生が居ない今、普通なら2年生が行くべきだと思うんですけど。しかも、何もできない俺まで一緒に行くんですか?」


「確かに、普通なら2年生が行くはずだ。だが、今の2年生にエイゼほどの生徒は居ないんだ。だから、今いる生徒で1番強いであろうエイゼと行くことにした。それとラクトも一緒に行くことについてだが、エイゼとのコンビネーション技が使えるからだ。2人のエンチャントを使った魔法はとても強力で、そこら辺にいるモンスターなら一撃だろう。言ってしまうと、そのためだけに来てもらう」


なるほど、おまけという訳か。


まあ、全体的な成績でいえば俺は平凡だからな。


エイゼがいたからあれだけのことが出来ただけであって、俺1人じゃ初級魔法のエンチャントが限界だし。


こればかりは仕方のない事だ。


先生は俺とエイゼの2人が納得したのを確認すると、話を進めた。


「出発は今から1時間後、その時間までに正門に集まっててくれ。あと、今日は臨時休校にしたから他の生徒はこないと思うが、もし誰かと会っても偵察に行くことは言わないこと。以上だ。じゃあ、また後でな」


そう言って先生は会議室から出て行った。


「じゃあ、私たちも一時解散ってことで。色々準備して、集合時刻の5分前に正門ね」


そう言ってエイゼも行ってしまった。


「俺も一旦部屋に戻るとするか」


そう言って、誰もいない会議室を後にした。









どうもMonty(モンティー)です。

今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。

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