やりすぎた倒し方と嫉妬心の恐怖
あー、さすがにやりすぎたかなー。
私は、目の前で大量の穴が開けられて死んでいるトードを見てそう思った。
こうして思い返してみると、トードにネイルストーンを打ったのは間違いだったのかもしれない。
トード種の中でも厄介なトードは何種類かいる。
でも、今回のは単なるノーマルトード。
トード特有の性質である物理攻撃無効と水属性魔法吸収は厄介だけど、それ以外はそこまでではない。
いくら強力な魔法が使えないとしても、水属性以外なら弱い魔法をちまちま当てて行くだけでも倒すことができる。
それなのに、わざわざ上級魔法でも強力な魔法を使ってしまった。
みんなは、わたしがトードを二匹同時に一瞬で倒したところを見た直後はとても驚いていた。
でも、すぐに驚き以外の感情がみんなの心の中を埋め尽くしたのがわかった。
それは『嫉妬心』だ。
私は8歳で上級魔法を使うという、常識ではあり得ないことをした。
魔法は10歳を超えたあたりから体内のマナが安定してくるのに合わせて使えるようになってくる。
だから、8歳で魔法を使えるだけでもすごいのに、その歳で上級魔法を使えてしまっている私は、周りからすれば嫉妬の対象でしかなかった。
8歳の子供にとって、周りからの嫉妬は、ただの『嫉妬』ではなく、恐怖を与える嫉妬となったのであった。
それに加え、嫉妬心を抱いたのは周りの人だけではなく家族の中にも居た。
私にとって周りから嫉妬の目で見られていたため、それを逃れられぬ場所は家しかなかったときだ。
そんなのときに、家の中からもそんな目で見られ始めた私は心がどんどんと崩壊していった。
しかし、その嫉妬の目も、時間が経過していくのに合わせ薄れていった。
その理由としては、みんながおそらく8歳の子供に嫉妬しても仕方ないとでも思ったのだろう。
ただ、嫉妬の目が消えたからといってすぐに心の傷が癒えてくれるわけじゃない。
かなりの時間を掛け心が癒えて、やっと普通の生活に戻った。
そこにやってきたのが魔道学園への入学だ。
予想はしていたが、周りのみんなは私を見るとき嫉妬の目をしていた。
そんな中で、唯一優しく接してくれたのはラクト君だけだった。
私は入学してからの3ヶ月間、本人には言いたくないが彼のことを心の拠り所していた。
そうしていたら、いつの間にかみんなの嫉妬の目が消えていた。
ラクト君を拠り所にしていたことによって心が崩壊していなかった私は、このことがとてもうれしく思えた。
しかし、次に再び嫉妬の目が向けられるのがこんなに早いとは。
しかも、それが同じグループのメンバーという。
私はもう一度心が壊れるのを覚悟していたとき、目の前に居たラクト君が一歩踏み出してくれたのだ。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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