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最古の魔術師  作者: メア
ブリュンヒルド学園
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ブリュンヒルド学園 入学式前日2

寮から出た俺はまず購買、風呂場、トイレを見に行った。この3つはここで生活するにあたって重要な場所だ。寮に食堂があるため、購買は別に行かなくてよかったのだが…。因みに教室は入学式当日になって判るのでまだ知らない。俺は1度行った場所ならテレポートで移動できるからとにかく校内をまんべんなく歩いた。

そして夕方、寮に戻った。


「あー。疲れたー。」


鍛えているため肉体的疲労こそ無かったが精神的疲労がきつい。ひとりで校内を回るというのはそれはそれで精神がやられるのだ。


暫くベットに倒れて休んでいると、部屋のドアが開いて、3人誰かが入って来た。そういえばまだ寮の仲間と会ってなかったな。


そう思った俺は寮の仲間と対面するために部屋から出た。


入って来たのは獣人族の男女とエルフの男の子だった。因みにこの寮は男女混合だ。


「こんばんは。今日からあなた方と過ごすリリアです。宜しくお願いします。」


「わたしソフィアよ。よろしくね。」


「ぼくラインハルトー!」


「ぼくジール。よろしく。」


ああ、そういえば相手は子供だったな。敬語じゃなくてもよかったじゃん。


ソフィアは銀髪黒眼でウサギ耳だ。ラインハルトは赤髪緑眼でキツネ耳だ。そしてジールは緑髪緑眼で耳が長い。みんな優しそうでよかった。

そういえば後ひとりが来てないな。


みんなは荷物を置いて来るそうで俺は先に食堂に行くことにした。寮の個室は鍵を閉めると受付で貰ったカードがないと開かないのでゴーレムたちが見つかる心配はない。


「おいガキ!そこは俺たちの席だ。どけ!」


食堂で食事をしていると男の子が5人やって来た。


「何故どかなきゃならないの?わたしが先に座ってたんだけど。そもそもこの寮は同じ年齢の人同士が集まっているから年齢差はないでしょ。」


「うるさい!この俺が誰だか分からないのか?」


「ええ、分からないわ。どちらさんですか?」


「この俺はカーリゥ東区領主 カイロス・ゴードンの息子 ガイアス・ゴードンだ!

分かったからさっさとどけ。」


「私はリリアよ。リリア・クラネル。どうぞよろしくガイアスさん。それと、この席から退く気は無いから他を当たりなさい。」


「チッ」


そう言って俺は食事を続け、ガイアスは他の席を探しにいった。それから少しして俺のルームメイトが来た。


「あっ!リリアちゃん、横座っていい?」


「どうぞ。」


席に座ったのはルームメイトの3人ともうひとり赤髪緑眼で人族の誰か。


「その人は?」


「ああ、この人も僕たちのルームメイトだよ。」


「どうも。僕はヒカルです。」


「どうも。リリアです。よろしく。」


どうやら最後のひとりだったらしい。ヒカルって何か日本人みたいだな。


「あ、私は食べ終わったので先にお風呂行ってます。」


「リリアちゃん速いねー。」


「そうですかね。わたしは先に荷物を置いていましたから。では。」


そう言って俺は一旦個室に戻り、着替えを取って風呂場へ向かった。


「ふぅ、あー気持ちいー。」


修行してた時は風呂なんて入らなかったからな。汗だくになったらリフレッシュかけてたからな。


風呂には俺以外入っていなかったので30分ほど風呂に入って上がろうとしたとき、誰かが入って来た。


「あ、まだ入ってたんですね。リリアさん行動が早いのでもう上がってると思ってました。」


みるとそこに居たのはヒカルだった。


「どうしました?ここは女風呂ですよ?覗きならもっとこそこそするべきです。それと私はそろそろ上がろうと思ってました。」


まぁ、こそこそしても俺の索敵に引っかかるけど…。


「やだなぁ僕、女ですよ。」


「へ?」


俺は視線をヒカルの下に移すと、そこには漢の象徴が無かった。名前男じゃん。


「女………だと……。ごめんなさい。で、でも何で一人称が僕なの?」


「いや、なんでと言われましても…。これが僕の普通だとしか言えませんね。」


うーん、紛らわしい。せめて態度が女らしかったら気付いたのに。


「入学式、いよいよ明日ですね。」


「へ?ああ、そうですね。」


「そういえばリリアさんはどこなんです?」


「私は魔術師です。あなたは?」


「僕も魔術師です。これからよろしくお願いしますね。」


「はい。よろしくお願いします。」


「そういえばリリアさん。日本って知ってますか?」


さっきまで学校の話をしていたのに唐突にそんな事を言って来た。


「………なんで急にそんな事を?」


「少し気になって。で、知っているんですね。」


「まぁ、知ってはいます。どうして私が日本を知ってると思ったんですか?」


「まず、言葉がペラペラですし、僕が敬語で話したら、敬語で返して来ましたよね。そして僕が日本を知ってるかと聞いたときの反応でそう思いました。」


「そうですか。初めて会いました。日本出身の人。でも、あなたは今6歳ですよね?あっちでは何歳で亡くなったんですか?」


「僕はあっちでは15歳で亡くなりました。」


「え?」


「え?」


「いや、15歳?どうして今6歳なんですか?」


「私は赤ん坊からでしたから。何をそんなに驚いているんですか?」


どういう事だ?転生の仕方が変わっている?


「いや、私は実年齢でこの世界に来たから。」


「え?そんなに若くで亡くなったんですか!?」


「いや、今回が初めてじゃない。」


「??どういう事ですか?」


「私のスキル。ごめん、参考までに聞きたいんだけど君が転生する際に会った人誰?」


「え?スクルドっていう女神様だけど?で、スキルってどういうスキル?」


「転生っていうスキルだ。死んだら別の個体で生き返る。」


「すごい!僕もそんなの欲しい!………あれ?だとしたらリリアさん何歳?」


「女性に年齢を聞くのは失礼だと思うけど。」


「ごめん。」


「ま、女性じゃ無いけど……。」


「え!??どう見ても女の子にしか見えないけど。」


「転生スキルだよ。必ずしも同じ性別に生まれ変わるとは限らない。それこそ必ず人に生まれ変わるとかじゃない。」


「へー。じゃあもし、僕も男だったって言ったら信じてくれる?」


「信じるも何もヒカルが男であろうが女であろうが興味はない。」


「そうなんだ。」


「さ、俺はもう上がるぞ。のぼせそうだ。」


「じゃあ僕も。そういえばリリアさん敬語じゃなくなったね。一人称が私から俺に変わってるし。」


「元々俺は男だったし歳下に敬語は出来るだけ使いたくない。ストレスが溜まる。」


「あ!そういえばリリアさんが何歳か結局聞いてない!あっ、ちょっと待って。」


ヒカルは俺が個室に戻るまで俺の年齢をしつこく聞いてきた。正直めんどくさかった。

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