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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
長州の志士達
67/281

ハァハァ…屯所まで後少し。


ゴホゴホッゴホゴホッ


屯所ってこんなに遠かったっけ?


「あ、千夜さん?あれ?どうしたんですか? 顔色が! !」


ゴホゴホッゴホゴホッ


誰だっけ? あぁ、中村だ。ゴホゴホッ ヒューヒュー


中村金吾。フラッと身体が傾く。


「千夜さん!」


ザザッ足に力を入れる。

……倒れたら、ダメだ……ゴホゴホッ


「千夜さん?」


今、倒れそうだったのに、なんでこの人、たってるの?

見るからに顔色悪いのに、こんな酷い咳してるのに


「大丈夫だ。」


そう言って笑った。


ゴホゴホッ

私が言い出したんだ。島原行きを、だから帰るまでは、、、。


帰るまでが遠足です。なんて、ふざけた事を考える。

身体を引きずる様に歩く横には中村

支えたいのか手がさっきから宙を彷徨ってる。


やっと見えた屯所。門の所によっちゃんの姿があった。

今日は、いつもより遅いからか、心配して見に出てきてくれたらしい。でも助かった。


よっちゃんは、ちゃんと門で待っててくれた。

もっと前に、私の姿を確認出来ただろうが


それでも、動かないで、待っててくれた。


やっとついた屯所。

屯所の門まで行けば、身体を支えようとした、よっちゃん。


「報告。」その言葉を聞けば、よっちゃんは副長の仮面を被る。


ゴホゴホッ

「芹沢局長が、一昨日乱闘騒ぎを起こし昨日力士熊川が死亡。確認をお願いします。ゴホゴホッ」


史実通りか確かめろ。か。はぁ。


「報告ご苦労。ったく。山崎、いるか?」


「おるでぇー。」


声と共に現れた黒装束の男。何とも陽気な登場だな。おい。


「大阪に行ってくれ。その前に、治療頼む。」


「御意や。」


ヒョイっと千夜を担ぎ上げて、部屋に消えてく山崎。

はぁっとため息を落とし、人影に視線を合わせる。


「中村、お前まだいたんだな。」


なんとも酷い鬼の副長の一言


「酷いですね、副長。千夜さん倒れそうだったんです

だけど、此処まで歩ききった。いいですよね、ああいう生き方。」


「ああ、そうだな。」


フッと土方は笑った。



文久三年六月


壬生浪士組 大坂相撲と和解し京都相撲との合併興行の約束を取付ける。


山崎が大阪に行って史実通りだと証明された力士乱闘騒ぎ

それ以上、ちぃは、口を挟まなかった



カンカン トントン


ゴホゴホッ


ただ、寝込んでるのが辛いからと銃弾を作り出したのは

かなり驚いたが、しかも、火薬を使うから、煙管禁止令を出しやがった。


おかげで、三日も煙管を吸えなかった。三日もだっ!


もちろん、ちぃの島原潜入は休ませた。

行けるよ。っと言ってもな。



大人しく?してたからか

ちぃの体調は二週間ほどでよくなり


ちぃの銃弾作成も無事終わった。


問題視していた力士乱闘騒ぎの件も

丸く収まった訳だがどうにも、芹沢の行動が気にかかっていた。






















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