表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
死を求めて…
6/281

死を求めて…参


ハッとした。

労咳の薬を手にした事を思い出したから。

彼女が死ねない理由に、何か意味があると考え

本を何冊も読む。読んだ所で、本当に過去に戻れるなんて思ってないし、戻り方なんて知らない。



私が生きている意味があるなら、


肺結核の薬。これだけで、そうちゃんを助けれる。

新選組の本を読みあさる。

しかし、手がピタリと止まった。


『ちぃ、俺はな、武士になりてぇんだ。』


命の恩人の声が聞こえた気がした。


この平成の世、平和な世の中、幕府もない。

明治には、武士は居なくなる。


武士…彼らは誠の武士になりたかった。



助けて、どうなる?



本物の武士になりたかった彼ら……。

幕府の為に戦ったのに、将軍は逃げ出した上に幕府は、失くなってしまう。


今の平成という時代は、生まれも育ちも関係ない

才能のある人がのし上がる事が出来る時代。

江戸時代とは、真逆だ。



————私が、戻って何ができる?



ふと湧き上がった期待は、

すぐさま、地に落とされた気分に逆戻りとなる。



何をしてるの?本当。

ノートといい、戻れるわけないじゃん。

過去になんて、戻れる訳がない。


新選組は時代の流れに乗れなかった。


勝てば官軍、負ければ賊軍。新選組は賊軍。



それでも、最後の武士。誠の武士。


今では、ヒーロー扱いだ。

賊軍でも、彼らは誠を貫いた。



“貫きゃ誠になる”



よっちゃんの、そんな声が聞こえた気がした。



「誠…?」



私は、何ができる?

もし、過去に戻る事ができるなら…



そんなのわかんない。



でも、


私が生きている意味、私ができる事、私の願い……。

死ねない事に、理由があるのなら、



「私は、まだ死ねない。」



死んじゃダメなんだ。


























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ