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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
噂話し
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頭を下げた近藤さん

今、私に必要なのは近藤さんの言葉。

私は、皆、同じ様に好き。


近藤さんは強くなる。皆も、もっと強くなる。

心も身体も。だ。でもまだ、近藤さんは、

どうも、よっちゃんに縋る癖がついている。


話し合いを持ちかけたのは、

近藤さんに、自分の気持ちを話してもらいたいから。

このままなら、確実に芹沢派の抹殺は免れる事がない。

無駄死にだ。このままの関係を続ければ……。だ。

喋らない近藤さん。


「何故喋らない近藤、お前は、土方の操り人形か?」


あーあ。確実に地雷踏んだよ。芹沢。

千夜は、銃を懐にしまった。威嚇で済まなくなる事を見越しての行動だ。


よっちゃんが刀を抜いてしまった事で、新見、平間も、

総ちゃん、山南さんら、四名が刀を抜いた

部屋は一触即発状態。


さてどうしたものかと、お茶を飲む千夜。

芹沢も近藤さんも動かない。三馬鹿は、オロオロするばかり。烝は、動かない様子だ。

同じ部屋に居るのに温度差がかなり違う。


「本当、話し合いも出来ないんだねぇ。

本当この時代の人間は殺し合いがよほど好きか」


「仕方なかろう。」


お前が地雷を踏んだのに、仕方なかろうはないじゃないか?


全く……


操り人形。か。


さて、どうするかな。幸いまだ斬り合いにはなってない。


「近藤さん。今、この状況をなんとか出来るのは貴方だけですよ?」

貴方にしか出来ない事がある。何かしたい事がある筈だ。

じゃなかったら、膝の上に置かれた、強く握り絞められた手は、何だと言う?


「————刀をおさめろっ!」


部屋に響いた近藤さんの声。


「近藤さん?」


ピタリと止まった部屋の中


「同じ組なのに、刀を向けあってどうする?

芹沢さん、申し訳ない。千夜君……」


いきなり畳に頭をつけるぐらい下げた、近藤さん。


芹沢の前ではなく、私の前で……


「すまない!俺は間違っていたっっ! !」



「あの、近藤さん?スッゴイ面倒くさい。」


「ちぃ!局長や!」


だって、土下座とか、あり得ない。

「あー。あの、とりあえず、やめてくれませんか?

別に怒ってないし、近藤さんの気持ちは嬉しいですけど。」


土下座はやっぱりありえない。いくら誠意ある行動でも、


「千夜君。」


う…やめてくれないだろうか?


「近藤さん、組の代表が、私なんかに頭を下げる必要はない。貴方が間違ったなら、貴方を信じてくれてる人達に

まず頭を下げろ。貴方が間違ったと気付いたなら

まだ取り返しなどいくらでもつく。


だけど、命を奪ってから、間違ってたなんて通用しない。

全て、貴方の判断で決まってしまうんです。

それを忘れないで。」


それだけしか、言葉が出てこなかった。


近藤さんの最後を思い出してしまったから。


その日話し合い?は、早々にお開きになり、部屋に戻ったのだが、すぐに、寝れるはずもなく、幹部隊士に叱られる千夜の姿があった。


「眠いよ。」

「ちぃ、まだ叱られたいんか?」


勘弁して~































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