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鈴の音を聞きながらBサイド  作者: セオドア.有羽
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6分間だけの恋人4

6月4日に決まったオフ会の通知を見ながら、複雑な心境で携帯を見つめていた。

どういう顔で会えばいいのか…

深く傷つけたマナにどんな顔で会えばいいのか…

それまでの日数を憔悴しきったままで過ごした。

何人かSNS上で励ましてくれる人が現れた。僕は少しづつ調子を取り戻していったのだけど一人の部屋で何度もマナの名前を呼んで泣きじゃくった。自分にとってマナがどれだけ大事な存在か思い知らされていた。オフ会でもし会えたならそれを告げるつもりでいた。


小雨が舞う6月4日の朝僕は早くから着替えを済ませ何度も時間を確かめていた。

不意に知らない番号から着信が入る

「はい。藤代です。」

「藤代智樹さんのお電話でお待ちがいないでしょうか?私厚生年金病院緊急外来の小泉と申します。藤代洋子さんの事でお伝えしたい事がありまして」

「洋子の?洋子に何かあったんですか?」

小泉さんが言うには妻の洋子が交通事故にあい連絡先に僕の電話番号があった為連絡してきたという事だった。いろいろ手続きがあるから来て欲しいと。僕は小泉さんに至急向かう旨を告げあらかたの住所を聞いてタクシーを捕まえに飛び出した。

オフ会の誘いをしてくれたフォロワーさんに急用で行けなくなった事を伝え何とか捕まえたタクシーに飛び乗った。

車内で妻の心配よりマナに会えなくなった事が悔しくて仕方なかった。

病院に着くと洋子の隣には見知らぬ男性が座って洋子を心配そうに見つめていた。

軽く会釈をし身分を説明する。

彼、本田雅治は洋子が事故にあった経緯を説明してくれた。

病院のラウンジで僕等はそれまでの経緯を話し合った。本田と洋子は彼女が家を出た後に知り合った事。洋子が近いうちに離婚について話に来る予定だった事。

僕は病院で書類の手続きを済ませ本田から住所を聞いて離婚届は郵送する旨を伝えその場を立ち去った。

非情な行動かも知れないけれど今の僕にそれ以上その場に留まる事は難しかった。

バスと電車を乗り継いで家に戻った。

涙があとから後から溢れてくる。もう自分でもマナに会えなくなった事でなのか洋子との離婚の踏ん切りがついた事なのかもわからずただただ泣くしか無かった。まるで世界中で自分がたった一人取り残さた気分になった。


気がつくと辺は暗くなっていて夜なのがわかった。疲れて寝てしまっていた。

携帯の通知ランプが光っている

マナからメッセージが来ていた

【とも…少しだけ話せる ?】

今すぐにでも話したかったが、

【ごめん…明日にしてくれないか?】

そう言って僕は携帯の電源を落とし、ソファに投げ捨てて久々に深い眠りについた。

きっとまだ続くだと思いながら

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