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鈴の音を聞きながらBサイド  作者: セオドア.有羽
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あの日の約束と合言葉5

夜10時過ぎの病室にはただ静寂が溢れていた。

男は寝ている女性のそばによるとそっと頬を撫でる。

「あら、思ったよりずっと速かったのね。」

「いろいろ飛ばして来たからね。それに凄く無理をしてきた。年甲斐もなくね。」

「ふふっ、お互いにもう若くは無いからね」

「そうだね…やっと会えたね。待っていたかい?」

「待ってなんかいなかったわ」

「そうなのかい?」と男は少し困った顔をする

「きっと逢えるのはわかっていたから、これは必然だもの…」

「そうだね。僕らは少し遠回りをしただけ…」

「とこしえの恋人ならば、そんなの問題ないわ。」

そうすると男は優しく女性を抱きしめた。

「どんなにこうする事を夢に見た事か…」

「私もあの時からずっと…忘れてなんて無かった。とも…」

「茉奈…あの頃と変わらず綺麗だよ」

「貴方は素敵になった。」

「キスをしようかと迷ってるんだけど…職場から直接来たから臭くないかな?」

「バカね…そんなのこんな時にどうだっていい…」

茉奈の言葉を途中で遮り智樹は茉奈の唇に自分の唇を重ねた。


少しの談笑の後…

「明日は頑張るんだから、もうおやすみ…」

そう言って茉奈の髪を優しく撫でる。

そんな中で、智樹の方が先に眠ってしまった。目がなれて来てよく見ると疲れ果てボロボロだった。

ベットの横に座り茉奈の手を離さない智樹を見ながら彼女は久しぶりに幸せな眠りに着いた。



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