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鈴の音を聞きながらBサイド  作者: セオドア.有羽
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あの日僕は晴れ間の広がるとこに君を連れ出したかった2

12月に妻が家を出てから未だ離婚は成立していない。というよりもそれ以来連絡が無くてそうしようが無いのが現実だった。

「もう疲れました」

と書かれた手紙を読んで仕方ないと思う。塞ぎ込む様になってしまったとはいえ僕は長年勤めた会社を辞めた。妻は理解はしてくれたものの格段と減った収入と慣れないパートの仕事にだんだんと喧嘩が絶えない様になっていた。

色んな寂しさから僕はSNSで誰かと繫がっているという擬似の安心感にのめり込むようになった。

長くはなったけど結論を言うと僕はまだ(既婚者)なのだ。

今日、僕はエミリさんことマナに告げようとしている。メッセージを書いては消して書いては消してを繰り返して書き上げた。

今、この胸に感じている淡い気持ちが黙っていればわからないと囁いてくる。だけどもう一つの気持ちがもし妻が戻ってきたらどうするのか。きっと彼女を酷く傷付けてしまうとその甘い誘いを打ち消す。

一晩悩んで書いた文章の送信ボタンを押した。自分が出勤する早朝に彼女から返事が来ないのはわかっていた。

もうこの関係は終わるかも知れないと思いながらズボンにしまった携帯を見る事が出来ずに僕は仕事へと向かった。

その日は仕事にいつもより集中した。彼女の下す答えから逃げ出したかった。

お昼休みになり携帯を見ると一件のメッセージがある

【とも、私の仕事が終わったら気持ちを伝えるね】

それだけ。

その日の午後の仕事は散々だったのは言うまでも無かった。

早朝に仕事に出るぶん僕の方が彼女より先に仕事が終わる。家に向かうバスの中でも気晴らしによった本屋でもうわの空だった。こうなると悪い考えばかりが浮かんでくる。

家に着くと昨日寝れなかったからいつしか僕は携帯を片手に眠っていた。

目が覚めて携帯の告知ランプに気づいて慌ててメッセージを開く

【そうだったですね…なんとなく気づいていました。何か他の人とは違うって…このまま騙していてくれても良かったのに…】

その文字を見て僕は胸が凄く痛んだ。

もうダメかもしれないと思いながらも何も考えずとにかくメッセージを送った

【ごめんなさい。マナには正直でいたかったから。そうやってでも君と向き合っていたかったから】

すると返事はすぐに返ってきた

【私もそれでもあなたと繋がっていたいと思ったから一緒です】

【出来るならこのまま続けたい】

【もう少しそばに居ても良いですか?】

【うん。まだマナとの約束も守れてないから】

【約束?】

【まだ俺の背中で思い切り泣かせてあげてない…】

【ふふふ、そうだね。その時は抱きしめてくれる?】

【当たり前だよ。ちゃんと抱きしめるよ。でも我慢出来なかったらごめん…】

【我慢?】

【抱きしめたらきっと我慢出来なくなって、マナが欲しくなる…】

【その時は、キツく抱いてください…何もかも忘れるように…】

【うん。俺の事だけ考えていれるように強く君を求めるよ】

【嬉しい…とも…】

【どうかした?】

【ううん、いつか私も話すから聞いて欲しい】

【わかった。大丈夫だよちゃんと受け止めるから】

その日はとても疲れながらも安心感と幸せな気持ちでいっぱいになった。

彼女の言いたい事はなんとなく気づいていたけれど、とにかくこの先でどうなるかわからない関係だけど大切にしようと決めて僕は深い眠りについた。

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