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鈴の音を聞きながらBサイド  作者: セオドア.有羽
13/30

遠い日の残骸を愛と呼べますか3

【咲花ちゃん、お久しぶり。5時には仕事終わるからちょっと待ってて】


時刻は16時31分。咲花は時間まで藤代の名前を検索したが、それらしい人がたくさんいて絞り込めなかった。

(もっと何か、キーワード無いと…)

人探しならプロにお願いすれば良いと思ったが、ママが私に託したのは何か意味があるのかも知れないから。

5時から五分経って香取から着信が入った

「やあ、咲花ちゃん。おじさんの事覚えてる?」

「はい。薄っすらとだけど」

「そやろなぁ、まだちぃっちゃかったからな、しょうがない、それはそうと茉奈さんの具合はどうなん?」

咲花は上手く答えれなかった。

「そうかぁ…そうそう藤代さんの事やけど、流石にあんまり情報無くて、九州の人なのと確か茉奈さんの4つ上だから今47か48のはず。後は(なな)ってアカウントの娘と仲良くしてたのは知ってる。二人ともあの後直ぐにアカウント消したからな。

「ママが行けなかった日?」

「…そうかぁ聞いたんかぁ、あれはしょうがない事なんやけどなぁ。そうそう九州のスーパーに勤めてたのは知ってる、今じゃ関東にも支店のあるの大きい会社になったみたいで。せやから今も九州におるかどうか。」

「そうなんですね…」

「今も昔の知り合いあったてるんやけど、藤代さんあんまり交流深い人少なくてなぁ、そうそう愛知で(マシロ)って人とは仲良かったみたいで。そういうてもアカウント名やしな。時間経ちすぎてるから…」

「そうですね、また何かわかったら連絡ください」

そう言って一旦、通話を終了した。

手がかりは

(なな)という女性

(大手のスーパー勤務)

(マシロ)という女性


…これだけ。どうしたら良いのよ。

咲花はそこに落ちていた空き缶をつい蹴飛ばしそうになった。

勤務先もまだ務めているかわからなかった。


教えて貰ったスーパーの名前を検索した。

『総合スーパーゼルビオ』

確か去年神奈川に関東進出の1号店の大型ショッピングモールを出したとニュースになっていた。

サイトに書かれた電話番号に電話をかけて聞いてはみたがやはり個人情報なのでお応え出来ないと言われてしまった。

母が使っていたSNSは世界的大手で運営会社こそ変わってしまったが今も広く使われていて、咲花もアカウントは持っている。

ななという人は辞めてしまったらしいが、マシロという人を探してみた。

検索結果にたくさんの名前が出てくる。

一体どれがその人か掴みどころが無い。


そこで咲花はそれとなく呟いてみた

【お願い、人を探してます。18年前にくま吉という名前でここを使っていた、九州の人。その当時仲が良かったななとマシロという人を。母が病気で会いたがっています。どうかわかる人教えて】


小さな希望だったが、やれるだけの事はやってみようと思った。


スマホの通知ランプが光る

【咲花、SNS見たけどなんかあったの?】

友達の田所裕貴からだった。

先日、裕貴から告白されたが咲花はまだはっきりと答えていなかった。

裕貴に事情を説明すると

【わかった、咲花のつぶやきみんなに拡散する様に俺からも言っておくから】

【それとこの前の返事…この事が片付いてからでも良いから。俺待ってる】

それを見て咲花は自分の胸が熱くなるのを感じた。裕貴の事は好き…でも今は私がママの事支えなきゃいけないし。

とにかく今はこの事を優先させないと。

そう思って裕貴には軽くありがとうと送って連絡を終えた。


一日でいろいろありすぎだよ。

そう思いながら、家路に向かった。

数時間で裕貴おかげか何通かのメッセージが届いたが、有力なのは無くて、知ってはいたが今はどうかというものばかりだった。


今日は諦めてとりあえず寝ようと思った時、一通のメッセージが届いた。


【マシロさんを知っているけど何の用?】

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