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5kgの距離  作者: 新々
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「重くない?」

「全然。そっちこそ、顔が近くてイヤじゃない?」

「ううん、イヤじゃないよ」


 今のわたしたちがお互いをひとり占めできるのは、きっとこのくらい。

 そう、このくらいの重さで、このくらいの距離で。


 でも知り合って二ヶ月でこれなら、ひょっとしたら夏頃には――。

 なんて、ちょっぴり変な想像をしたけど、でも不思議と悪い気はしなかった。

「どうしたの?」

「ううん、なんでもない」


 やっぱり、見られたら意識するのかな。

 太ももの上に乗った瑠美の頭をなでながら、そんなことを思った。 <了>

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