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5kgの距離  作者: 新々
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「桃花、私ちゃんとひとり占めできてる?」

「できてるよ。わたしは?」

「できてるよ。桃花しか見えないし」

「そっか。わたしの脚も、今瑠美だけのものだよ」

「ねえ、ずっとこうしてていい? ずっと桃花のこと見てるから」

「いいよ。ずっとこうしててあげる」

「私以外の人にこんなことしないでよ」

「そっちこそ、絶対しないでよ」


 そうやってわたしたちはお互いに見つめ合ったまま。

 お互いをひとり占めし合った。


 ああいって置きながら、どんなことされるんだろう、なんて初めはドキドキしたけど、別に構える必要はなくて、それにひとり占めされるのは意外と心地いいというか、気持ちいいというか。


 恥ずかしかったけど、でもそれ以上に嬉しくて。


 だからもうちょっとだけひとり占めしたいって。

 瑠美にひとり占めされたいって。

 そう思ったりもしたけど。

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