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「本当に?」
「本当に」
瑠美の目が、わたしを見つめる。
その包み込むような視線が、とても愛おしくて。
もっともっとわたしを見て欲しくて、包んで欲しくて。
「ねえ、わたしにもひとり占めさせてよ」
そういって、わたしはそっと瑠美の手を握った。
「わたしも、瑠美の脚、うまそうだなって思ってたよ」
「そう……なんだ。うん、ありがと」
「でも、ひとり占めしたいのはそっちじゃなくて」
わたしは瑠美に嫉妬してたことを話した。
ちょっとくらいわたしのこと見てくれてもいいのにっていう、わがままなひとり占めのことを。
「……わがままじゃないでしょ、別に」
瑠美が、優しくわたしの手を握り返してくる。
「いいよ桃花も。私のことひとり占めして」
「じゃあ瑠美もわたしのことひとり占めしていいよ」
しばらくして、瑠美がぽつりといった。
「……じゃあ、するね」




