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5kgの距離  作者: 新々
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「本当に?」

「本当に」


 瑠美の目が、わたしを見つめる。

 その包み込むような視線が、とても愛おしくて。

 もっともっとわたしを見て欲しくて、包んで欲しくて。


「ねえ、わたしにもひとり占めさせてよ」


 そういって、わたしはそっと瑠美の手を握った。


「わたしも、瑠美の脚、うまそうだなって思ってたよ」

「そう……なんだ。うん、ありがと」

「でも、ひとり占めしたいのはそっちじゃなくて」


 わたしは瑠美に嫉妬してたことを話した。

 ちょっとくらいわたしのこと見てくれてもいいのにっていう、わがままなひとり占めのことを。


「……わがままじゃないでしょ、別に」

 瑠美が、優しくわたしの手を握り返してくる。

「いいよ桃花も。私のことひとり占めして」

「じゃあ瑠美もわたしのことひとり占めしていいよ」

 しばらくして、瑠美がぽつりといった。


「……じゃあ、するね」

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