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5kgの距離  作者: 新々
19/22

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「誰かに取られるとでも思ったの?」

「別にそこまでは思ってないけど……」


 すねたように頬をふくらませる瑠美もそれはそれでかわいくて。

 だからもうちょっとからかってみようかなって、そう思ったけど。

 でも、やっぱり笑顔の瑠美が見たかったから。


「さっきもいったけど、瑠美にわたしのこと見て欲しかっただけだから。男の視線なんて意識してないよ」


 素直にそう答えた。

 わたしの言葉に、そっか、と瑠美は安心したように小さく息をはいた後、くすっと笑った。


 ゆるくウェーブした髪がふわっと揺れて。


 その瞬間、よくわからないけど、なんだか胸の奥がぽっと温かくなって。


「瑠美はさ、わたしの脚って好き? それとも嫌い?」


 気づくとわたしはそんな言葉を口にしていた。

「……好きだよ。うん、好き」

 みしめるように、瑠美がそう答える。

「ってか、正直いうと、うまそうって思ってた」

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