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でも瑠美からは特になんの反応もなく、喫茶店を出て駅をぶらぶら歩いても、わたしの太ももに視線のひとつも向けてはくれなかった。それなのに、すれ違う娘の太ももには得意顔で評論しちゃって。
なんだかそれが、すごく気に食わなくて。
ちょっとくらい、わたしのこと見てくれたっていいじゃん。
って。
何変なこと考えてんだろ、わたし。
溜息をつきながらぼんやりそんなことを考える。
服が見たいという瑠美につき合って、わたしは今試着室の前にいた。
お店にいる客はわたしたちだけで、店員もさっきどこかにいってしまい、完全にひとりぼっちだった。
「…………」
することもないので、空いている試着室の鏡に全身を映してみる。




