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やめろ、と制する理性の叫びも虚しく。
わたしの手はスカートのベルト部分をくるくると巻くようにして折り、残念な太ももをすっかりさらしてしまった。
といっても数センチ上げただけだし、見た目もそこまで変わらないのだけど。
「ちょっとは涼しくなった、かな」
なんて口ではそういってみても、心の中ではもう言葉にならなくて。
なんかこう、わーって感じだった。
わー、うわーって。
ひゃーって。
と、ひとり舞い上がってるところに突然出入口のドアが開いたので、わたしは焦ってそのまま外へと飛び出してしまった。
そこで急に恥ずかしくなる。
とっさにスカートを押さえたけど、でも。
瑠美、気づくかな。
どんな反応するかな。
それが気になって、結局直さずそのまま席に戻った。




