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5kgの距離  作者: 新々
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 やめろ、と制する理性の叫びもむなしく。

 わたしの手はスカートのベルト部分をくるくると巻くようにして折り、残念な太ももをすっかりさらしてしまった。

 といっても数センチ上げただけだし、見た目もそこまで変わらないのだけど。


「ちょっとは涼しくなった、かな」

 なんて口ではそういってみても、心の中ではもう言葉にならなくて。


 なんかこう、わーって感じだった。

 わー、うわーって。

 ひゃーって。


 と、ひとり舞い上がってるところに突然出入口のドアが開いたので、わたしは焦ってそのまま外へと飛び出してしまった。

 そこで急に恥ずかしくなる。

 とっさにスカートを押さえたけど、でも。


 瑠美、気づくかな。

 どんな反応するかな。


 それが気になって、結局直さずそのまま席に戻った。

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