リンゴと唯2
私の『毒リンゴの毒』の拳で、甘夏君から完全に『チカラ』が消えた…。気を失った甘夏君をプールサイドにおろす。良かった…元の唯君に戻ってくれて…。
あああああー!!賀東先生は、どこ…!?あたりを見まわす私。賀東先生は、ずぶ濡れでプールサイドに横たわっていた…!急いで、賀東先生のもとへ向かう私。賀東先生の体を揺さぶるけど、賀東先生は起きない…!
「賀東先生…!しっかりしてください!」
だめだ、息してない…!このままじゃ死んじゃう…!落ち着け、毒島リンゴ…。たしか保健体育で人工呼吸の仕方習ったし、コ●ンの映画で見たことあるし!
まずは、気道を確保して、鼻をふさいで、口を…。賀東先生と…キキキキキ…キスぅーーー!?…違う、これは人工呼吸!!落ち着け私…!早くしないと本当に取り返しのつかないことに…!
覚悟を決め、賀東先生の顔に私の顔を近づける…。そして…賀東先生の形の良い唇を…私の唇が覆い…息を吹き込む…。これは、あくまで人口呼吸ですから…!!
賀東先生が水を吐き出した…!呼吸が戻った…!良かったぁ…。賀東先生が目を覚ます…。
「…ここは?…君は…誰?」
ああ!まだ変身が溶けてなかったんだ!てか、なんて説明すればいいんだろう…?そういえば、この部屋は元通りになっているのにどうして私の変身が溶けないんだろう…?
「えー。ええと、その…先生は、プールサイドでその…足を滑れせて落っこちて溺れちゃって、それを私が人工呼吸して(思い出して赤くなる私)…助けたんです…!」
「その声は…リンゴ…さん…?」
「ちちちちちち、違いますー!!私は…私はその…通りすがりの…『セカイを守る』使者です!!それじゃあ!」
逃げ出す私!とにかく変身を解いて、誰か先生を呼んで来なくちゃ!屋内プールの施設からでると、私は自然にもとの姿に戻った…!
「毒島さん、無事でしたか!」
「剣崎先生、この腕時計、防水じゃないじゃないですか!!ってそんなことより、賀東先生が…!!」
「落ち着け、毒島。何があったんだ?」
「だから、賀東先生が溺れて、息してなくて、私が(人工呼吸を思い出す)…ボンっ!!(私の頭が爆発する音)」
「大丈夫か…?顔真っ赤だぞ…。」
「後は、私たちが何とかするので、毒島さんはもう寮に戻ってください。もう下校時間とっくに過ぎてますから。今日は、お疲れ様でした。」
「…はい。あ!先生、制服の犯人は…?」
「…それは、また後日お話します。」