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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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甘夏唯のセカイ2

 放課後の美術室。

「リンゴちゃん、犯人は生徒会が総力を挙げて探し出すわ!」

「琳華先輩、ありがとうございます。でも、私この制服気に入ってるんで、もう大丈夫ですよ。」

「そう言う訳にはいかないわ。生徒に危害を加える存在は、私は絶対に許せないもの…!」

「そうだよ、リンゴ!まあ、確かにその制服、似合ってるけど…。」 

 『セカイを滅ぼす者』に操られた人が犯人だって言えないよね…。

 あれ?誰か来たみたい。

「あ!いたいた、青島会長ー!!探しましたよ…。」

 高等部の先輩だ。

「あら、どうしたの山本君?」

「どうしたの、じゃないですよ…。会長が今日の放課後、来週の学園内清掃活動の打ち合わせするから生徒会室に集合って、言ったじゃないですか!みんなもう、集まってますよ…?」

「あら!?ごめんなさい…。すっかり忘れてたわ…。今、すぐ行きます!…それでは、ももちゃん、リンゴちゃんまた…。」

 琳華先輩は、急いで部室を出ようとしたその時!

 琳華先輩が転んだ!!段差もなにもつまづくようなものないのに…。

『琳華先輩、大丈夫ですかー!?』

「…あはは。大丈夫よ。ごめんなさいね…。それじゃあ、ごきげんよう。」

 琳華先輩が転んでぶつけたところをさすりながら美術室を出て行った。なんか、こんな光景、前にも見たことあるような…。デジャヴ…?

「琳華先輩って運動苦手なんだよね。もともと体が弱いから体育も準備運動だけで貧血起こしちゃうんだって。でも、そんなか弱い先輩がまた可愛い…!!」

 そうなんだ…。じゃあ、琳華先輩は藍色の覚醒者じゃないよね…。彼、ものすごい見事な剣さばきだったもんね。

「そういえば、唯、遅いな…。今日はうちの部に来るって言ってたけど…。」

「甘夏君も絵、上手なの?」

「うん、唯はすごいんだよ!海を描かせたら唯の右に出るものはいないね!ほら、前話したじゃない、私が小6のとき全国規模のコンクールでかすりもしなかったこと…。唯はあのコンクールで入賞したんだよ!」

「すごーい!!」

「でも、唯には水泳も才能があるから。この前、部活でタイム測ったら日本記録超えたらしいよ!」

「す、すごすぎ…!」

「だから、今じゃこっちには月に2~3回しか来られなくなっちゃったの…。でも、仕方ないよね…。唯はきっと絵を描くより泳ぐことの方が好きなんだと思う。だって、あんなに素敵な海の絵が描けるんだもん…。」

 美術室の扉が開く。甘夏君かな?

「あれ?唯君は、来てないですか?」

 賀東先生だ!

「今日は、来てないですよ。きっと水泳部の方に出てるんだと思います。」

「…そうですか。作品展の提出用紙をまだ書いてもらってなかったので…。では、水泳部の方に行ってみます。」



―水泳部(屋内プール)―

 はあ…。結局、今日も美術部に行けなかった…。ホームルーム終わって教室出ようとしたら、廊下に先輩方が待ち伏せしてんだもんな…。まじで締切やばいのに…。しかも、部活休もうとした罰で(昨日、休むって言ったじゃん!)掃除全部押し付けてみんな帰りやがったし…。はあ…。とにかく掃除終わったら、ダッシュで部室行って下校時間ぎりぎりまでやるしかないか…!

 ん?誰か来た…。

「はじめまして、中等部2年3組、甘夏唯君。」

 その女子生徒は、学園の中等部の制服と同じようなデザインだけど、色が違って白地に黒のラインが入っていて、リボンが黒で、黒のタイツに銀色の靴…って、プールサイドに土足で入って来た…!髪はパーマがかかった黒髪で肩までのばしている。頭に白いリボンをつけていて、顔はまるで人形のように怖いくらいに整っていて…。肌に血の気がないのに、唇は真っ赤で…。

「君は…誰…?」

「私の名前は『ヴァニラ』。…さるお方のために『セカイ』を滅ぼす者。」






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