新しい出会い2
次の日の朝。昨日、学園を探したけど、犯人は見つからなかった…。そういえば、もう、ホームルームが始まる時間なのに賀東先生がまだ来ない。どうしたんだろう…?それに、なぜか私の隣の席が空いている。男子の席順が一つずつずれている…。
「リンゴ。賀東先生、遅いね…。何かあったのかな?」
「…まさか、私の制服の責任とらされて…学園をやめさせられちゃったとか…!?」
「ええええー!?」
教室の扉が開いた。
「みんな、おはよう。遅くなってごめんね…。」
賀東先生だ!!
「先生、やめないでください!!」
「はい?…ももさん、何のことですか?」
先生、やめさせられたわけじゃなかったんだ…。良かった…。朝礼が長引いたのかな?
「今日から、このクラスに新しい仲間が増えます。その子を迎えに行っていて遅くなりました。どうぞ、入って来てください。」
教室に入って来たのは、男の子!この学園の学生服を着ていて、短髪の黒髪にメガネ。全体的に地味な感じ…。誰かに例えるなら剣崎先生みたい…。でも、この子どこかで、会ったことがあるような…。
賀東先生が黒板に名前を書く。その名は…!?
「名前は、七五三木花梨君です。リンゴさんと同じ学校から編入してきました。みんな、仲良くしてあげてください。席は、リンゴさんの隣の席です。」
え!?七五三木君…?あれ、たしかあの子って、あの日、胡桃君にからまれてた…三つ編みでメガネの女の子じゃなかったけ!?えええー!?どういうこと…?どこから、ツッコめばいいんだろう!
「よろしくね…。七五三木君。」
返事がない…。私のこと覚えてないのかな…。
1限目は、国語。隣の七五三木君は黙々と授業を聞いてノートをとっている。七五三木君て、人と話すのが苦手なのかな…。前の学校では、しゃべってるとこ見たことないって城太郎君の取り巻き君のひとりが言ってたよね。私と同じで、この子も無意識に他人との間に壁を作っちゃうのかな?そんなことよりも…この子は男の子なの…?女の子なの…?どっちなのー!?
どうしよう…聞いてみたい。でも、授業中に話しかけたら悪いし、返事かえって来なかったら気まずいし…。そうだ、いいこと思いついた!私は七五三木君側のノートのページ端に文字を書き、こっそり七五三木君の肩をたたき、文字を見せる。
―ここから筆談―
「七五三木君、私のこと覚えてる?」
返事、書いてくれるかな…?お、七五三木君が私側のノートのページの端に文字を書いた!やった。返事がもらえた!
「うん。あの時は、助けてくれてありがとう。お礼言えなくてごめんね。」
「気にしないで。覚えててくれたんだ…。どうして、この学園に編入してきたの?」
「それは…。」
七五三木君の手が止まる…。聞いちゃまずい事だったかな?
「ごめんね。言いずらい事なら、別にいいよ!いろいろ事情があるよね…。」
性別のことも聞いたらまずいよね…。
「そうだ!七五三木君。昼休みに学園内案内してあげるね。」
「ありがとう。」
七五三木君が笑った…。笑うと可愛い…!




