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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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リンゴの制服2

 そして、次の日の朝。どこにいてもみんなの視線を感じた。同情と興味が入り混じった視線…。でも、今の私はひとりじゃない。隣にはももがいてくれる。教室に入ると、クラスのみんなもいつもと変わらずに迎え入れてくれた。

 朝のホームルームが終わると、賀東先生が私を美術室へ呼び出した。

「リンゴさん。本当に申し訳ありませんでした…。僕が、きちんと施錠していれば…あんなことには…!」

「先生、顔を上げてください。先生は何も悪くないです。先生、被服室の鍵が開いていることをすごく不審に思ったのは、ちゃんと先生が施錠をしてたからですよ!それに、一番悪いのは、あんなことをした人です。だから、もう自分を責めないでください。」

「リンゴさん…。本当にすみません…。新しい制服はもちろん無償でお作りします。」

「先生、そのことなんですが…私、前にも言ったんですが、この制服結構、気に入ってるんです。だから、この制服のままでいいです。いや、この制服のままがいいです!だめですかね?」

「そうですか…。リンゴさんがそう言うなら、学園に前の学校の制服のままでもいいか掛け合ってみます。それから、犯人についてですが…。」

「犯人について何かわかったんですか?」

「いいえ…。まだ、犯人は特定できていません。ですが、学園が総力をあげて犯人を必ず見つけ出します。リンゴさんにやったことは立派な犯罪行為です。学園は犯人に対して厳罰を与えることにしています。誰か犯人に心当たりはありますか?」

「…ありません。まだこの学園に編入して間もないですし…。」

「そうですね…。」

 賀東先生、犯人はきっと『セカイを滅ぼす者』に操られてあんなことをしたんだと思います。だから、犯人は私が見つけ出して、『セカイを滅ぼす者』からその子を助けます!とは、言えないよね…。



 そして、放課後。私は『SAWDO』の秘密基地へ向かった。

「毒島さん。昨日は…大変でしたね…。」

「剣崎先生、犯人はきっと『セカイを滅ぼす者』に操られている子だと思うんです!それで、監視カメラに犯人の子が写っていませんでしたか?」

「実は、私達も君と全く同じ考えで、監視カメラを解析したんですが、これも『セカイを滅ぼす者』の仕業なのか、被服室周辺のカメラだけ壊れていたんです。ですから、犯人が誰なのかわかりません。」

「そうですか…。やっぱり、『セカイを滅ぼす者』の仕業だったんだ!また弱っている生徒の心の隙間につけ込んで…あんなことをさせるないんて…!私、犯人の子を見つけ出して、絶対、助けます。」

「リンゴちゃん。犯人の子、許しちゃうの?」

「だって、その子もクリム君と同じで『セカイを滅ぼす者』に操られて無理やりさせられたことです!犯人の子だって被害者です…。」

「そうね…。」

「それでは、毒島さん、私達も引き続き犯人の生徒の特定を進めたいと思います。」

「はい。私も犯人の子を早く見つけ出して、助けてあげたいです。剣崎先生、上城先生…その先生方のことを役立たずなんて言ってすみませんでした…。先生方は敵と直接戦うことはできないけど、昨日のことで監視カメラの解析してくれたり、見えないところで先生たちも戦ってくれてたんですね…。本当にありがとうございます!橘先生と相川先生にも伝えといてください。それじゃあ、私は犯人の子を探しに行ってきます!」

 秘密基地から出る私。



「…剣崎君。私…罪悪感で死にそうなんだけど…。」

「私もです…。毒島さんに嘘をついてしまいましたからね…。」

「リンゴちゃんの制服にあんなことしたのは『セカイを滅ぼす者』に操られた生徒じゃなくて、単にリンゴちゃんに恨みがある生徒だもんね…。」


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