リンゴVSクリーム3
苺鈴です。
今回の最後の方で少し重たい表現があるので、苦手な方は注意してください。
光が止み、一人の少女が現れた…!
白地に赤襟のセーラー服。光輝く黄金の髪と瞳。胸元には大きな真っ赤なリボン。手には白地に赤いラインの入った指ぬきグローブ。足元には赤い靴。今日はなんかシンプルだね…。
「私の名前は毒島リンゴ…!学園のみんなの『セカイ』も、この『セカイ』も壊させない!私が絶対に守る!!」
『セカイを滅ぼす者』の意識は消えて、クリームがまた目を覚ました。
「クリム君、絶っ対!君を救ってみせる!」
『毒島さん、この学園のいや、この『セカイ』の命運はあなたにかかっています!』
『がんばれー!リンリン!』
『リンゴちゃん、無事に戻ったら賀東先生の秘蔵写真もっとあげるから、がんばって!』
『毒島、レポート課題の提出期限のばしてやるから、ガンバレ。』
腕時計から聞こえる『SAWDO(笑)』の先生方の声援…。
「応援は嬉しいんですけど…どうすれば、クリームを元のクリム君に戻せるんですか!?」
『セカイを滅ぼす者』が言うには、クリム君が『完全覚醒』したら元の姿に戻れないって…どういうこと!?それに『セカイ』を滅ぼすほどの『チカラ』がクリームにあるって…。
『とにかく、クリム君に呼びかけてみてください!』
「はい。やってみます!クリム君、さっきのでわかったでしょう?アイツは、君を利用していたの!だからもう、『セカイ』を滅ぼさなくていいんだよ!」
クリームは、答えない。何だか完全に意識が無くて…。その時!クリームが私に向かってきた!
クリームの拳が私の体に触れる前に、見えない力で私の体が突き飛ばされる!
「うわぁ!」
何とか体制を立て直す私。クリームは次々に拳を繰り出してくる!それを私の拳が受け止める!ちょっと!いつからバトルものになったの!?これ、魔法少女ものじゃなかったっけ?
クリームと拳をぶつけ合っていると、私に誰かの声が聞こえてきた…。これは、クリム君の心の声!?
『僕は…。たくさんの人を傷つけてしまった…。僕はもう、この『セカイ』にいる資格はない…。』
「そんなことないよ!クリム君は、アイツに騙されてただけだよ!だから…。」
「うわぁあああー!」
クリームがまた、苦しみ始めた…!クリームから目には見えない、何かとてつもなく強い『チカラ』が溢れていた!
『毒島さん、学生寮から今までとは比べ物にならない、高エネルギー反応が…!うわぁああ…!』
腕時計から、先生達の悲鳴が!?
「先生?何があったんですか…?先生!!」
「クリームの『完全覚醒』が始まったのさ。」
頭の中に直接話しかけてくる!?…この声は、『セカイを滅ぼす者』…!
「学園全体がクリームの『絶望したチカラ』に飲み込まれたんだ。クリームが『完全覚醒』すればこの『セカイ』はその『チカラ』によって滅びる!」
「そんなこと、絶対にさせない…!クリム君、目を覚まして!!」
クリーム君の拳が私の腹部に直撃した…!その衝撃で後ろに突き飛ばされる私!
「きゃあああー!」
壁にめり込む私…。ああ…。身体から『チカラ』が抜けて…意識が…消えていく…。
ここは、どこだろう…?何だかいやな匂いがする…鉄みたいな…。足元がぬるぬるしてる…。私の周りに誰かが倒れてる…。これは…父さん!母さん!それに、もも!クラスのみんなや先生…!みんな、動かない…。
「いたぞー!アイツまだ生きてるぞ!全員殺せー!!」
私の知っている人たちが、怖い顔をしてこっちに向かってくる!?みんな刃物や武器を持っている…!私を殺す気だ…!どうして…!?怖いよ…。誰か、誰か…助けて!!
そうか…これが…この悪夢が…クリム君の見た地獄…。




