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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
77/139

クリームをさがせ5

「初等部4年のクリム・D・カスター君です!」

 私は、今日の昼休みにクリム君を見つけた経緯を話した。ドッジボールのくんだりは省いたけど…。


「クリム君で、クリーム…。そのまんまですね…。(そういえば毒島さんの制服や肌にボールの痕がたくさんつてるけど、なぜなんだろう…?)」

「…ごめん、何の話?おいしそうな名前の子だね!」

「相川ちゃん、最近この秘密基地に来なかったもんね…。話がややこしくなるから私が後で説明してあげるからちょっと黙ってて。」

「とにかく、そいつを連れてきて問い詰めればいいだろう。」

「ちょっと!橘先生、問い詰めるって…。相手はまだ初等部の子なんですよ!あと、タバコ吸うのやめてください!」

「問い詰めるのはともかくとして、彼をここへ呼びましょう。今の時間だと、初等部の生徒は寮に戻っているでしょう。男子寮に連絡をとってみます。」

 男子寮に連絡を取る剣崎先生。


「クリム君に会えそうですか?」

「いや、今日は会えないそうです。彼は、精神的に不安定なようで、今、寮の自室で休んでいるそうです。」

「毒島、お前、そいつを怖がらせでもしたのか?寝込むくらい精神にダメージ負ってるみたいだぞ?」

「な!?何にもしてないですよ!ただ、話しかけただけです…。」

「…クリム君はこの学園に入学する前から精神的に不安定だったそうです。」

「どういうことですか?」

「…原因は彼の生い立ちにあるようですが、詳しいことは4年生の担任の広瀬先生がご存じなようです。ひとまず、広瀬先生に彼のことについて聞いてみます。初等部の先生方は今、職員会議中なのでそれが終わってからになりますが…。」

 

 私は、下校時間になってしまったため、先に帰らされてしまった。クリム君、いったい何が原因なんだろう…。クリム君がやっぱり、クリームなのかな?

「リンゴさん!」

 廊下を歩いていたら、後ろから声が、この声は、賀東先生!

「リンゴさん。今日、君の制服が仕上がったと業者の方から連絡がありました。今週中には届くと思いますよ。今までずっと、前の学校の制服のままでごめんね…。」

「いえいえ、本当ですか!」

 やったぁ!新しい制服だ…!

「でも、この制服も結構、気に入ってたんです…なんだか、ちょっとさみしいです…。」

「そうですか…。でも、この学園の制服もリンゴさんにきっと似合うと思いますよ!」

 …先生、何ですか今の殺し文句は!あやうく心臓が止まるところでしたよ…!




―都内某所『白雪(しらゆき)コーポレーション社長室』―

 社長室の椅子に座り紅茶を飲む一人の少女…。赤みをおびたストロベリーブロンドの髪を肩までのばし、両サイドの三つ編みを一つにまとめリボンのバレッタでとめた髪型。透き通るような白い肌に緑色の瞳。まるでフランス人形のよな可愛らしく気品のある顔立ち。服装は、洗練されたデザインの白のブラウスに、紺のワンピース、頭から足の先まで超一流ブランドで統一されている。

 この少女こそ、世界にその名を轟かす『白雪コーポレーション』の現社長であり、星屑学園中等部2年の白雪姫果(しらゆきひめか)である。

「この商談がまとまるまで、当分、学園には戻れそうにないわね…。学園は何か変わりはなくて?」

 私は、執事の由良(ゆら)に尋ねた。

「姫果様と同じ中等部2年に学生がひとり編入してきました。」

「編入生?こんな時期に…?名前は?」

「…毒島リンゴです。」

 リンゴ…!?その名を聞いた途端、私の手は震え、持っていたティーカップを床に落とした。

「姫果様!お怪我は…!」

「…平気よ!いいから…ここから出て行ってちょうだい!そして、私の前で…二度とその名を口にしないで!!」

「…はい。失礼します。」

 

 『リンゴ』なんて大嫌いよ…。私から…大切な人を奪ってしまったんだもの…。毒島リンゴ…。なんて不吉な名前…!こんな子が学園にいるなんて…。何か手をうたなければ…!

 

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