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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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リンゴとSAWDO2

「怒りの感情…。」

「そう。そして、あなたは、変身し敵と戦った。…失礼ですが、あなたがこの学園に編入してからずっと私達はあなたのことを監視していました。」

「どうして!?…ですか?」

「この星屑学園は、創立当初から多くの生徒を『覚醒』させてきました。さっき言ったように『覚醒』には個人差があり、『覚醒』せずに卒業していった生徒もいます。また『覚醒』しても、それは『セカイを滅ぼす者』と戦うための能力でない場合もあります。私達4人がそうです。私達は、あなたのように変身して戦う能力はありません。そのかわり、科学の分野に限っての人知を超越した頭脳はあります。そして、あなたの亡くなられたご両親もまたこの学園で『覚醒者』となったのです。『覚醒』は遺伝する確率が非常に高いのです。」

 私の父さんと母さんも『覚醒者』だったんだ…!

「それで、私のことをずっと監視していたんですね…。いつ『覚醒』するか確認するために…。」

「あなただけでなく、この学園に在籍する生徒全員、この学園内にいる間は私達の監視下にあります。生徒の制服が全てオーダーメイドなのも、生徒のバイタルデータを測定するための特殊な加工を施しているからです。」

「これじゃあ、私たちまるでモルモットじゃないですか、プライバシーの侵害です!」

「国から許可は得ているのよ、リンゴちゃん。日本政府も『セカイを滅ぼす者』を黙認できなくなってこの学園を頼りにしてるの。ここ数年で日本だけではなく、全世界規模で『セカイを滅ぼす者』は密かに暗躍しているの。一般人は誰も気づいていないだけで…。」

「星屑学園がずっと閉鎖していたのは、勢力を増してきた『セカイを滅ぼす者』に対抗する準備をするためです。それは、学園を閉鎖した前の年に、ある問題が起きたためです。『覚醒』した生徒が『セカイを滅ぼす者』に取り込まれそうになったのです。幸い、その生徒は取り込まれずにすみましたが敵は、『覚醒者』を闇落ちさせるという新たな方法を仕掛けてきたのです…。そして、毒島さん。あなたが昨日戦ったあの『クリーム』と名乗った少年は…この学園の生徒です。」

「じゃあ、クリームは闇落ちしたってこと!?どの生徒か特定できないんですか?」

「リンゴちゃんも見たと思うけど、あの子の格好うちの学園の制服の色が変わってたでしょ?たぶん制服を特殊な力で変異させられてしまったの…。あと生徒の情報をまとめていたデータベースも何者かに攻撃されちゃったみたいで、特定は、ほぼ不可能…。リンゴちゃんが変身したみたいに、あの子も姿かたちを変えているから探し出すのは難しいわね…。」

「そんな…。」


「もう一度、お願いします。毒島さん。どうか、私達に協力してはもらえないかな?」

「お願い、リンゴちゃん。」

「…私は、具体的に何をすればいいんですか…?変身したくても、やり方はわかんないし…。そういえば私どうしてあんな姿に変身したんですか?『覚醒』って魔法みたいなものですか?てか、どうしてあの時『くまりんず』にかけられたクリームの魔法を解くことが出来たんですか?」

「これは、全て私の推測にすぎないんだけど、毒島さんの変身した姿は、あなたが頭の中で思っていたことがそのまま姿形になったんじゃないかな?」

 あの時、『くまりんず』のことで頭がいっぱいだったからくま耳がと尻尾がはえたってこと?服はいつも着ている赤襟のセーラー服が少しアレンジされてて、髪と瞳が黄金に輝いて…。

「それと、クリームの魔法を解いたのは、毒島さんの『毒リンゴの拳』です。」

「先生、『毒リンゴの噂』はあれ全部嘘です!」

 噂まで調べられてたなんて…。

「毒島さん、あなたが『覚醒』した能力は、『想像したことを本当にできる能力』です。そして、あなたの能力の発動条件は『怒り』です。クリームに挑発された怒りで『覚醒』して変身し、生意気なクリームの態度に怒り、拳に毒を宿したんです。『毒リンゴの拳』で殴られた『くまりんず』は、クリームから受けた魔法よりもあなたの『毒のチカラ』が強かったため、魔法を解くことが出来たんだと思います。」

「まさに、『毒を以て毒を制す』だね!」


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