リンゴと委員長とヤンキー4
そして、金曜日の放課後。
私、毒島リンゴは、帰りのホームルームが終わると、急いで教室を飛び出して行った!全ては、福田さんと胡桃君に会うために…。
金曜日の放課後は、普段は厳重に閉っている学園の正門が開く。日曜日の午後5時まで生徒は学園外にでることができる。4時半に駅行きのバスが一本あるだけで、帰宅する子はそれを使うか、家族に車で迎えに来てもらわなければならない。学園行きのバスは日曜日に駅から数本出てるだけで、つまり、平日は学園行きのバスがないことがよく調べたらわかったの…。本当に、あの二人はどうやってここまで来る気なんだろ…。
とにかく、学園の外にでようか…。学園の周りは高い塀で囲まれている。これなら、二人に会っている姿を他の人に見られないよね。福田さん…大丈夫かな…?胡桃君に変なことされてないかな…。心配だ…。
「おーい!毒島!会いにきたでー!」
胡桃君!ああ、自転車できたんだ…。そうか、その手があったね。胡桃君の後ろに福田さんが乗ってる!
「よく、自転車で来れたね…。車でだって結構な時間かかるのに…。学校終わる時間同じくらいなのに、どうやってこんな早く来れたの?」
「なんや。そんなん、学校さぼって来たんに決まってんやろ?」
あー。さすが不良…。学校をさぼることになんのためらいもないんですね…。でも、超真面目の委員長の福田さんが、よく学校さぼるなんてできたね…。あれ?福田さん、なんか目に虹彩がない…ま、まさか…!?
「胡桃君!まさか、福田さんに、変なことしてないでしょうね…?」
「はぁ!?ワイは、何もしてへんで!ほんまに…。毒島、何でワイのことにらんでるんや…。おい!福田、お前もなんか言ってくれや!」
「…ど、どうしよう。学校さぼっちゃった…。私…不良になちゃった…。」
あ、なんだ学校さぼったことへの罪悪感のダメージ受けてただけなんだね。
「福田さん、ごめんね…。土日にすればよかったよね。学校さぼらせちゃって、胡桃君もなんか変な誤解しちゃって本当にごめんなさい!」
「毒島さんが謝ることじゃないよ!私がいけないんだよ、行きかたも確認しないで強行しちゃったんだもん!(何で私、毒島さんに謝りに来たのに謝らせちゃってんだろ…。)それにね、私、学校さぼるのはじめてだから、なんかすごい新鮮で…ちょっとこの背徳感が…快感で…。」
福田さんが何かに目覚めようとしている…!?
「おい。毒島、昨日電話で話したやろ、お前に頼みがある…!(なんか、毒島、雰囲気変わったな?初めて会った時より生き生きしとる。)」
「頼みって何?(胡桃君、初めて会った時よりも、なんか…柔らかくなった気がする…。)」
「そ、その。あれや…その…。」
「だから、何?(なんで胡桃君、顔が赤くなってんの…?)」
「ワイと…。きっ…き、き。」
「き?」
「…ワイと、キスしてくれ!!」
「え?…えええええー!?」