リンゴともも4
美術室を出た私ともも。
「はぁ…。今日の賀東先生もかっこよかったなぁ…。いつもかっこいいけど!」
賀東先生のことを話すとき、ももは本当に幸せそうだ…。
「ところで、寮ってどこにあるの?」
「心配しなさんな。私がちゃああんと、リンゴを連れてくから!賀東先生との約束だし!学生寮は女子寮と男子寮の二つあって、女子寮は学園の本校舎のすぐ裏の建物だから校舎を出てからから歩いてすぐだよ。男子寮は学園の敷地内のだいぶ外れにあるの。あたりまえだけど、女子寮は男子禁制、男子寮は女子禁制。男とか連れ込んじゃ絶対だめだよ?そーいえば、リンゴは、彼氏いるの?私は賀東先生一筋だから!」
「あはは。いるわけないでしょ。てか、男子の友達はできたことないし(友達はももが初めてだし…)。」
あ!そういえば…胡桃君。今どうしてるかな…。殴っちゃったこと謝らなきゃだよね…。精密検査で異常はなかったって叔母さんが言ってたけど…。
「リンゴどうかした?急に黙り込んじゃって。あれれ、もしかして…本当は、彼氏いるんじゃないの?ははぁーん、大人しい顔して、結構やり手だね!相手はどんな子?前の学校の子?それとも誰かに恋してるとか?」
「ちち、違うってば!ちょっと、他のこと考えてただけだから…!」
「何なに?はっ!もしかして、リンゴも賀東先生のことを…。先生はわたさないよ!」
「ももの賀東先生への愛には負けるよ…。作品早く完成させて、先生に見せられるといいね。」
「うん!それでこそ、我が心の友よ!」
これって、恋バナってやつなのかな?友達とこんな話ができるなんて…。あぁ…幸せだぁ。
あれ、向こうから歩いてくるのは何の先生かな?
「こら、お前ら。いつまで校舎内に残ってるんだ?さっさと帰れ。戸締りができんだろう。」
その先生は、白衣を着ていた。髪は黒でオールバックで、目つき悪いなぁ…とういか、目が死んでる。年は30代かな?結構若い感じ…。あ!先生、右手に火のついたタバコが…。学園の敷地内では喫煙禁止じゃなかったけ?
「あーっ!橘先生、また校舎内でタバコ吸ってる!いけないんだぁー。他の先生に言いますよ?リンゴ、この人は物理の橘先生。この学園一の不良教師だよ(小声)。」
「うるせえな…。ヤニ休憩でもしなきゃ教師なんてやってらんねーよ。」
橘先生は堂々とタバコを吸うと煙りを吐き出す…。態度悪すぎ…。
「主流煙より、副流煙の方が有害なんですよぉ~。健全な成長期の女子生徒二人の前でよく平然と吸えますねぇ?」
「だから、お前らが早く、校舎から出ていけば問題ない心置きなく吸える。そういえば、藤林。お前、俺の授業のレポートまだ未提出だよな?提出期限もう、一週間も過ぎてるんだけど…。」
「ギクリっ!あ、あの先生その…それにつてはですね…その…。」
「お前はレポートの提出率が悪すぎるぞ。このままだと一学期の成績やばいかもな?。」
「そ、そんなぁ…。」
「だが、タバコの件を見逃してくれるなら…レポートの提出、あと3日だけまってやってもいいぞ?」
「ひ、人の弱みにつけこんで…。この悪魔!鬼ぃ!くぅっ…。…わかりました、見逃します…そのかわりレポートの件もどうか、どうかよろしくお願いしますよ、先生(必死)!」
「よし、ホントにあと3日だけだからな。それ以降は絶っ対!受付ないからな…。そして、早く帰れ!」
校舎を出て寮へ向かう私ともも。
「うわあああ!悔しい!悪に屈してしまったぁああああ…(でも、レポート提出3日のばしてもらえて良かった。うーん複雑…)。」
「感じの悪いの先生だったね…。賀東先生の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいね。」
「あははは。全くその通りだね!あ、ほら着いた。ここが、女子寮だよ!」




