リンゴともも3
私、毒島リンゴに生まれて初めて友達ができた。
「この、作品の題名の『紫苑』って賀東先生の名前だよね?」
「そうそう!紫苑って花の名前なんだよ。この絵の花が紫苑なんだ。きっと、賀東先生のご両親は、あの綺麗な瞳の色を紫苑の花にちなんで紫苑と名付けたんじゃないのかなぁ~。」
「ももは、本当に賀東先生のことが好きなんだね。」
「うん!この気持ち、まさしく愛よ!賀東先生のことなら何でも知ってるよ。賀東先生とはこの学園で出会ったの。まさに、運命の出会いだわ…。そう、私と賀東先生との出会いの物語を聞きたい?」
すごい話したそうだね。なんか聞かないと悪い感じだね…。
「うん、聞きたい。」
「そう、それはまさに星屑学園での私と賀東先生の記憶…。名付けて、『スターダストメモr…」
その時、美術室の扉が開いた。
「藤林さん、毒島さん。もうすぐ教室の施錠時間になりますよ。」
『賀東先生!』
「すごい!私、賀東先生の話をしてたら先生がやってきた。やはり私と賀東先生は運命の赤い糸で結ばれt」
「藤林さん、作品は完成しましたか?」
先生のスルースキル半端ないですね…。
「いいえ。まだです!」
「先生。もも…藤林さんの作品見ましたか?すごい素敵ですよね。」
「実はまだ見せてもらってないんですよ…。藤林さん、なぜか僕だけには見せてくれないんです。」
「先生には、ちゃんと完成してから見せたいんです!」
「あははは。それじゃ完成を楽しみにしてますよ。毒島さん、学生寮のことなんですが、寮母さんに君が来ることは伝えてあるので、寮のことは寮母さんに聞いてください。女子寮は教師でも男子禁制なので僕が付き添ってあげることはできないので…。藤林さん、毒島さんを寮まで案内してもらえますか。できれば、毒島さんのことを君に全てお願いしてしまってもいいかな?」
「賀東先生!任せてください!賀東先生の頼みなら、この藤林もも、全力で毒島リンゴの面倒をみさせていただきます!」
「ありがとう、藤林さん。毒島さん、改めましてよろしくお願いします。」
先生は右手を差し出した。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
やっと、先生と握手できた!
「ああー!リンゴだけずるいー。私も握手してください!」
先生と握手するもも。そして私とも。
「それじゃ、二人ともまた明日。藤林さん、ちゃんと毒島さんを明日、教室まで連れてきてあげてくださいね。」
「はい!」