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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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毒島リンゴの過去2

 クラスメイトのリンゴへからかいは、学年が上がるごとにエスカレートしていきました。名前をからかわれはやし立てられ、ものを隠されたり、壊されたり…いじめに変わっていました。

 リンゴを引き取った叔母はバリバリのキャリアウーマンで世界中を駆け巡るような人だったので、家にはほとんど帰ってきませんでした。というか、リンゴを引き取ってから一度も家に帰ってきたことがありませんでした。リンゴの世話は家政婦さんにまかせっきりでした。

 ある日、リンゴの私物の消耗が激しい(いじめにより)ことを不審に思った家政婦さんが叔母さんに報告したのか、あるいは時間にたまたま余裕ができたのかわかりませんが、リンゴを引き取ってから約5年ぶりに家に叔母さんが帰ってきました。リンゴは小学3年生になっていました。

 

 叔母さんと会うのは引き取られた日以来でした。リンゴはいじめられていることを話そうとしましたが何からどう話したらいいのかわからなかったのでとりあえず叔母さんに聞いてみました。

「叔母さんは自分の名前をからかわれた時どうしたの?」

 リンゴの叔母さんはリンゴのお父さんの妹なので苗字は当然あの「毒島」なのです。叔母さんの名前は毒島海月(ぶすじまみつき)です。海月はクラゲとも読めるので、毒島の毒と海月のクラゲで「毒クラゲ」とからかわれたに違いありません。

「そうね、叔母さんも小さいころから『毒クラゲ』ってからかわれたわ。でね、あんまりからかいがひどいんである時、思い切って担任の先生に相談してみたの。そしたらその先生はね『やられたらやり返せ』って言ったの。それでね、言われた通りやり返したの。いつもからかってくる男子の顔面に思いっきりパンチしてやったの!」

「それで、どーなったの?」

「それが、パンチがもろにはいっちゃって、そいつ泡吹いて倒れちゃったの。そしたらクラス中大騒ぎになちゃって、次に日緊急保護者会になって、そいつの親が学校に殴りこんできたんだけど、担任の先生がね言ったの『あなたのお子さんにいつも海月さんは、名前のことでからかわれていました。私が海月さんにやられたらやりかえしていいと言いました。海月さんは毎日、名前のことでからかわれていたんですよ。それについては、私の指導不足ですが、自分の大切な名前をからかわれ傷つけられてきた海月さんの痛みに比べれば、パンチの一発くらいどうということないでしょう。』って。」

 この話を聞いてリンゴはやられたらやり返して良いということを知ってしまったのです。


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