リンゴと新しい学校3
「ようこそ、星屑学園へ。初めまして、副学園長の寺田文雄です。」
この人が、副学園長か。頭つるつるで、まぶしいですね。優しそうな感じの先生だなぁ。年齢は50代後半くらいかな…。
「寺田先生ー!超お久しぶりです!!海月です、毒島海月!先生の教え子です。おぼえてないかなぁ?」
こんなはつらつとした叔母さん見たの初めてだ…。
「覚えてますとも、今までの教え子の顔と名前は全部。海月君は語学が得意でしたよね?」
「そうなんです。今はそれを生かして世界中を飛び回ってます!寺田先生は、ちっとも変りませんね!頭の毛以外は…。てか、副学園長って、先生、平教師だったのに大出世じゃないですかー!」
「ははは。君もいきなり毒を吐くところも変わってないですね…。」
「あ、この子が今日からお世話になる私の姪の毒島リンゴです。兄の団子とリリーの娘なんです!」
団子は私の父さんの名前だけど、リリーって母さんのこと?母さんの名前は百合恵だけど…。
「は、はじめまして。毒島りんごです。よろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそよろしく。そうか、君があの団子君と百合恵君の…。二人とも立派な生徒でしたよ。事故のことは知っているよ…。つらかったでしょう…。私は、君のご両親の学生時代のことなら何でも知っているよ!気軽に話しにおいで。海月君は学生の頃から一つのことにハマると周りが見えなくなって突っ走ってしまうところがあるから、今も仕事に夢中で君にちゃんとご両親のことを話したりしていないんじゃないかな?」
ギクリとする叔母さん。はい。その通りです。中学の入学式以来、帰ってきませんでした…。
「うぅ…。先生、本当に何でも覚えてるんですね…。今の言葉、胸にグサリときました…。」
「おや?そういえばリンゴ君の入るクラスの担任の賀東先生は、どこにいるかな?誰か知らないかな?」
担任の先生!?男の人かな?女の人かな?
「多分、美術室だと思いますよ。美術部は作品展が近いから、先生がつきっきりで指導してるんじゃないでしょうか?」と先生A。
「そうか。ありがとう。君達が今日の放課後来ることは伝えてあったんだけどな…。では、ちょっと彼を呼んできますね。」
彼ってことは、男の先生だ!うわぁ、いったいどんな人だろう…。美術の先生なんだ…。