セカイと姫果1
「セカイ。なにやねん、その…馬鹿みたいに豪華な花は!?」
セカイの病室の花瓶には、色とりどりの花がセンス良く飾られていて…。
「ああ。これは、姫果ちゃんが、この間のお花のお礼にってくれたんだ…。でも、すごいよね…。」
「アイツ、ひょっとして金持ちか…?」
「ああ、姫果ちゃんって、あの『白雪コーポレーション』の現社長なんだって!」
「はあああ!?だって…アイツ、ワイらと同い年やろ!?14歳で社長って…!!」
海●コーポレーションの社長だって、高校やで…!!14歳って…。
「僕も初めて聞いたときは、びっくりしたよ…。」
「とんでもない女やったんやな…。」
「姫果ちゃんのお父さんもこの病院に入院してるんだって。それで、お父さんの代理で社長をやってるんだよ。」
「へえ…。てか、お前らいつの間にそんなに親しくなったんや!?」
「姫果ちゃん、あれから毎日、午前中に会いに来てくれてるんだよ。今日は、まだ来てないけど…。」
セカイに気があるんかな…?
「城太郎君も、毎日来てくれてありがとう。午前中は、補習で忙しいのに…。折角の夏休みなんだから、僕に気を使うことないんだよ?」
「ワイが勝手に、会いに来てるだけや。セカイ、まだ外出許可でえへんのか?」
「うん、絶対安静なんだ…。」
「そっか…。外出許可が出たら、一緒に外で遊ぼうな!ドナテロを仲間に加えたろう!」
「うん!」
その時、セカイの病室のドアを誰かがノックする。
「ごきげんよう、セカイ。姫果よ。今、入ってもいいかしら?」
社長が来よった!!
「姫果ちゃん。どうぞ。」
「遅くなってごめんなさい、セカイ!…あら、城太郎もいらしたの?」
姫香は、髪を下ろしていて、服装は白い襟付きの水色のノースリーブワンピースに白のヒールのサンダルで清楚で爽やかな格好やけど…。姫果が嫌そうな顔でワイを見る…。
「ワイがいちゃ悪いんか?」
「ええ。私は、セカイと二人っきりでお話ししたいの!」
「はあ!?…ダメや!お前みたいな気の強え女が一緒じゃ、か弱いセカイが疲れてまうやろ?」
「何ですって!?城太郎の方こそ、あなた前の中学では、不良だったんでしょう?」
「はあ!?お前、何でそんなこと知っとるんや?」
「あなたのことは、全て調べさせてもらったわ!あなたみたいな野蛮な方こそ、純真無垢なセカイに悪影響を及ぼすわ!」
「何やと…!」
にらみ合うワイと姫果!…コイツ見た目は、可愛いのに中身は可愛いないな!!
「二人とも、喧嘩しないでよ…。姫果ちゃん、城太郎は、僕の初めてできた友達なんだよ。城太郎君が不良だったことは、僕も本人から聞いているけど。…僕は、今の城太郎君が好きだから!僕ね、城太郎君のおかげで、自分の本当の気持ちに向き合うことができたんだ。僕は、まだ生きていたいって…。姫果ちゃん、城太郎君は僕の大切な友達だよ!…城太郎君!?何で泣いてるの…?」
「セカイ…。ワイもお前のことが大好きや…!!」
セカイに抱き着くワイ!
「ちょっと、城太郎君!?どうしたの…?」
「セカイ、ワイが医者になって、絶対お前を治したるからな…!!」
セカイだって、ワイの大切な友達や…!!
「…まさか、二人は…そういう御関係なの!?」
姫果が、顔を赤くして、ワイとセカイを見とる…?
「何を誤解しとるんや…?」
「…二人は…愛し合っているの?」
「はあ!?」
姫果、作者みたいに頭ん中腐っとるんか?
「…セカイは、ホモなの?」
「ちょっと、姫果ちゃん!!何、言ってんの!?僕と城太郎君は、友達だよ?」
「だって…セカイ、城太郎のことが好きだって…!城太郎もセカイが…大好きだって!!」
あの強気な姫果が、めっちゃ動揺して顔真っ赤にして、おろおろしとる!なにや、可愛いとこあるやないか…。よし、もうちょっと、からかったろ!!
「…そうや、ワイはセカイが大好きや!セカイとワイは、愛し合ってるんや!!」
「ええええー!?ちょっと、城太郎君!!」
「きゃああああああー!!嘘でしょうー!?」
悲鳴をあげる姫果!ワイの過去を勝手に調べた罰や!!
「セカイとは、もうHなことまでした仲や!!」
「きゃああああああー!!」
「城太郎君、嘘言わないでよ…!!姫果ちゃん、城太郎君の言ってることは全部嘘だからね!!」
セカイの顔も真っ赤になっとる!
「これで、わかったか姫果!!ワイとセカイの仲にお前が入る隙間は、あらへんのや!!」
「城太郎君!!いい加減にしなよ…。姫果ちゃん、僕と城太郎君はそういう関係じゃないからね!!」
「…嫌よ。セカイがホモだなんて…!!」
「だから、僕はホモじゃないよ…。って、姫果ちゃん!?なんで、泣いてるの!?」
姫果の綺麗な緑色の瞳から大粒の涙が次々に溢れてくる…!
「城太郎君!!姫果ちゃんに謝りなよ…!!」
やっぱり姫果、セカイのことが好きなんやな…。
「姫果!…すまん、さっきのは全部、嘘や!!お前をちょっとからかってやろうと思って…。」
「…全部、嘘なのね?」
「ああ、そうや!!ホンマ、すまんかった!!」
「…なら、もういいわよ!!…もう、二度とそんな下劣な嘘を言わないで!!」
「城太郎君、今度、変な嘘ついたら絶交だからね!!」




