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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
134/139

プールにて

―星屑学園、屋内プール―

「琳華先輩、だいぶ泳げるようになりましたね。」

「唯君の教え方が上手だからよ。」

 私、琳華は、夏休み中も学園に残って、唯君の指導のもと絶賛水泳練習中です!

「唯君、午前中は、部活の練習で疲れてるのに…午後は、私の練習に付き合ってもらってしまって…本当にごめんね。」

「別にいいですよ…。」

 唯君て…無愛想で不器用だけど、優しいところがなんだか、琳吾に似ている…。

「ねえ。唯君は、ももちゃんのどこが好きなの?」

「な…!!」

 唯君の顔が真っ赤になる。可愛い!

「ねえ…教えてよ?」

「ももの好きなところは…。」

「何?」

「それは…。」


「こんにちは、二人とも。今日も水泳練習ですか?」

 プールサイドにやってきたのは、賀東先生。用務員さんの代わりに、プールの点検をしに来たのね。

「はい。先生、私25m泳げるようになったんですよ!」

「すごいですね!」

「これも全部、唯君のおかげです。」

「そういえば、唯君、顔が赤いけど…どうかしたの?」

 ああ、さっき私がももちゃんについて聞いたからです。

「唯君に好きな女の子のことを聞いていたんです!」

「…ちょっと、琳華先輩!」

「へえ…。唯君は、誰が好きなんですか?」

 賀東先生、唯君がももちゃんのこと好きなの知らないのね…。

「先生まで…。ちょっと、やめてくださいよ!」

「賀東先生、唯君が好きな子は、先生のクラスの子ですよ。」

「琳華先輩…!!」

「僕のクラスの子?…誰だろう?」


「賀東先生。更衣室の掃除終わりました。こんにちは、琳華先輩、唯君。今日も水泳練習ですか?」

「ありがとう、リンゴさん。」

 プールサイドにリンゴが来た。夏休み中、賀東先生のお手伝いをしてるのよね。

「リンゴ、私25m泳げるようになったのよ!」

「琳華先輩、おめでとうございます!!」

「ありがとう。リンゴもお疲れ様。」

「唯君、教えるの上手なんだね!」

「いや、俺は別に…。」

「それじゃあ、私は今度はトイレの掃除してきます!」

「はい。よろしくお願いします。リンゴさん、君が手伝ってくれて本当に助かります。」

「いいえ!賀東先生のお役に立てて嬉しいです。」

 リンゴは、元気に駆け出して行った。リンゴは、本当に賀東先生のことが好きなのね…。


「ああ!もしかして、唯君が好きな子って、リンゴさんですか?」

 賀東先生…。どうして…そうなるんですか…。

「違います!!」

 全力で否定する唯君。

「うーん。じゃあ、誰ですか?」

「唯君が好きな子は賀東先生のこと大好きですよ。」

「…もしかして、ももさん?」

 再び、顔が真っ赤になる唯君。

「正解です!」

「そうだったんですか…。確かに、唯君とももさんは、小学校が一緒でしたよね。そうか、唯君は、ももさんのことが…。」

「賀東先生は、恋のライバルだね、唯君!」

「…琳華先輩。」

「あはは。唯君、安心してください。ももさんは、僕の大事な教え子だけど、恋愛関係に発展はしませんよ。」

 先生が生徒に手を出したら、犯罪になっちゃうものね…。

「先生がそうでも、ももは…。」

 落ち込む唯君…。ももちゃん、賀東先生にぞっこんだからね…。

「そういえば、賀東先生は好きな人いるんですか?」

「な…!?」

 顔が真っ赤になる賀東先生…!!可愛い…!!

「いるんですね?」

「いませんよ…!!」

「賀東先生、俺の好きな人を教えたんだから、教えてくださいよ!」

「私も賀東先生の好きな人、知りたいです!」 

「だから、いませんよ…!!」

「先生、顔赤いですよ?ねえ、唯君。」

「…もしかして、この学園にいるとか?」

 先生の顔がギクリとする!

「ちょっと、二人とも!…本当にいませんよ!!」

「先生、怪しいです。先生かな?それとも…まさか生徒に!?」

「…そんなに、知りたいなら教えますが。それなら、琳華さんも好きな人を教えてください!」

「えええ…!?私ですか…。私は…誰が好きなんでしょうか?」

「いや、先輩。俺たちに聞かれても…。」

「私は、兄の琳吾のことがずっと好きだったので…。琳吾より好きな男の子なんて…考えたこともなかったです…。」

「先輩…どんだけお兄さんのこと好きなんですか?」

「じゃあ、僕は他の仕事があるので、これで失礼します。」

「ああ!先生、逃げる気ですね!!」

 賀東先生は、逃げ去って行ってしまった…。賀東先生が好きな人って誰だろう?


 






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