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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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リンゴと琳華

 琳吾さんは、止まったまま動かない…。その時、琳吾さんの意識が戻った!そして、ヴァニラの『チカラ』に操られて私に斬りかかろうとするのを、自分の意識を保ち必死に抑えようとしている!

「リンゴ…。私を斬ってくれ!」

「えええ!?そんなことできません…。その体は、琳華先輩だし…!」 

「大丈夫だ…君の『毒リンゴの毒』の刀で僕の魂だけを斬るんだ!!」

「でも、そんなことをしたら…琳吾さんが!」

「俺は、もともと死んでいる人間だ…。ここにいては、いけないんだ!さあ、早くしないと…また意識が乗っ取られる前に…!」

「…わかりました!」

 私は、落ちた刀を拾い『毒リンゴの毒』を刀に集中させた…。琳華先輩を傷つけずに…琳吾さんの魂だけを斬るんだ…!

 

 私は、刀を高く振りあげ…琳吾さんの魂を斬る…!

「さようなら…琳吾さん。」

「ありがとう…リンゴ。」

 


 琳吾さんが消え…琳華先輩の姿に戻った…。

「琳華先輩…!大丈夫ですか?」

「…リンゴちゃん。琳吾は、消えてしまったのね…。」

「琳華先輩…ごめんなさい…!私が…琳吾さんを…!」

「リンゴちゃん…ありがとう。琳吾を救ってくれて…。私が、自分を責めてばかりいるから…琳吾、成仏できなかったみたい…。でも、もう大丈夫だよ…。リンゴちゃんのおかげで…琳吾は…これでゆっくり眠れるね…。」




―月曜日の放課後の美術室―

「賀東先生、この前の土曜日、剣道場で倒れたって本当ですか!?」

「あはは…。僕もよく覚えてないんですが…。剣崎先生の話によると…素振りをしに剣道場に来て…琳華さんに会って…。琳華さんが貧血で倒れて、僕が琳華さんを抱きとめようとして滑って転んで頭をぶつけて気絶しちゃったみたいなんです。」

「気を付けてくださいよ!先生の綺麗なお顔にもしものことがあったら!ねえ、リンゴ。」

「そうだね…。」

 

 美術室の扉が開く。

「あれ、唯!水泳部はいいの?」

「今日は、葦原先生が休みだから休みになった…!」

「良かったですね。唯君。」

 唯君、無表情だけど、瞳がキラキラ輝いてるね…。よっぽど、美術部に出たかったんだね…。いや、ももに会いたかったんだね。

 

 美術室の扉が開く。

「ごきげんよう、みなさん。」

「琳華先輩!貧血はもう大丈夫ですか?」

「もう大丈夫よ。それより、丁度いいところで会えたわ。唯君、今日は水泳部お休みよね?」

「…はい、そうですが?」

「唯君、お願い。私に泳ぎ方を教えてください!!」

「え?」

「だめかしら?」

「いや、でも…その…えーと。」

 琳華先輩には悪いけど…久しぶりの美術部だもんね…。

「教えてあげなよ、唯!こないだ琳華先輩が貧血起こしたのだって、元をたたせば唯の描いた絵を見たのが原因なんだから!」

 もも…。

「え!そうなんですか!?…なんか、すみません。」

「いえ、唯君の絵は、関係ないのよ!でも、体力をつけるためにも、泳げるようになりたいの…!」

「…わかりました。教えます。」

 唯君の目が死んでる…。

「ありがとう!唯君。」

「じゃあ、僕も手伝いましょうか?僕、泳ぐの得意なんですよ。」

「…先生、この間プールで溺れたじゃないですか!しかも、先生を助けようとした俺も溺れたし…。」

「賀東先生が溺れたってどういうこと!?」

「唯君も溺れたの?」

「ああー。じゃあ、二人が万が一、溺れてもいいように、ももと私もプールに行こう!今日の美術部は、琳華先輩の水泳練習にしましょう!」

「よくわかんないけど…。私、今日泳げないけど、賀東先生の水着姿を見れるなら行きます!あと、先生と唯が溺れたって話詳しく聞かせてください!」

「それでは、みんな準備をしてプールに集合で!」

「リンゴ、私、先にプールに行ってるね!」

「俺の…久々の美術部がなぜか…水泳。」

「琳華先輩、一緒に水着とりに教室まで行きましょう。」

「何だか、ごめんなさい。私一人のために…。美術部を水泳練習にしてしまって…。」

「大丈夫ですよ。唯君は、ももと一緒に居られればどこでも天国ですよ!琳華先輩、実は私も泳げないんです…。」

「そうなの?じゃあ、リンゴちゃんも一緒に泳げるようになりましょう!」

「あの、琳華先輩…この間のことなんですが…。」

「心配しないで…リンゴちゃんが変身して『セカイ』を守る戦士のことは、誰にも言わないから!」

 琳華先輩は、あの日のことをしっかり覚えてるんだ…。何でだろ…?

「ありがとうございます!」

「それに…。私に何か協力できることがあったら、何でも言ってね。私も学園の生徒みんなを守りたいから…!あと、リンゴちゃんのこと…リンゴって呼び捨てで呼んでもいい…?」

「いいですよ!」

「ありがとう…!リンゴ。」


 



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