リンゴと琳吾2
光が止み、一人の少女が現れた…!
光輝く黄金の髪と瞳。白と赤の剣道着。頭には真っ赤なリボン。手には白地に赤いラインの入った指ぬきグローブ。今回は、剣道を意識した格好だね!
「私は『セカイ防衛少女毒リンゴ』!この『セカイ』は壊させない!私が絶対に守る!!琳吾さん、私はあなたとは、戦えません…!!」
「…それなら、大人しく俺に斬られろ!」
琳吾さんが、私に斬りかかってくる!
すると、私は赤と白の柄のついた刀を握りしめていた!琳吾さんの刀をその刀で受け止める。鍔迫り合いになる!でも、向こうの方が力が強い…!
私は押し負けて、後ろに吹き飛ぶ…!!
「うわああー!!」
壁にぶつかり、その場に崩れこむ…。刀も落としちゃった…!
それでも、琳吾さんは、容赦なく私に斬りこんでくる…!!あああ…やられる!!
あれ…斬られてない?…私の目の前には…長い黒髪を後ろで一つにまとめていて、白と紺の道着姿の…。
「賀東先生!!」
賀東先生が、竹刀で琳吾さんの刀を受け止めている!!
「大丈夫ですか?あなたは、いつぞや僕に、キ…人工呼吸してくれた通りすがりの『セカイを守る』の使者さんですよね?あの時はありがとうございました!…今度は、僕があなたを助けます!!」
「…邪魔をするな!」
無茶だよ、先生!そんなただの竹刀じゃ、刀に勝てるわけないよ!!
「…そのような拙劣な腕では、私は倒せん!」
あれ?賀東先生、話し方がおかしいですよ…?一人称『私』になってるし!
二人の激しい斬り合いがつづく…!てか、賀東先生よく竹刀で刀と対等に斬り合えますね!なんだか…侍みたい!!
「俺は、負けるわけにはいかない!!」
「ふん…意気込みは良し…だが相手がヒヨッコではな!」
賀東先生、完全にキャラが変わっちゃってるよ!!
「俺は…琳華を守る!!」
「琳華さん…?君は、まさか…琳華さんのお兄さん?…君は事故で亡くなったはずでは…!」
え!琳吾さんって、亡くなったってことは…今そこにいるのは…幽霊!?
「…いいえ!その子は、琳華であり、琳吾でもあるの!」
「あんたは、ヴァニラ!!どういうことなの…?」
「…まだ決着がついてなかったの?あら、王子様、どうしてあなたが起きているの?これは、あなたの物語じゃないの!」
ヴァニラが賀東先生に手をのばすと…賀東先生の意識が消えて、その場に倒れこんでしまった!
「賀東先生!!」
「さあ、青島琳吾。毒島リンゴを斬りなさい!!その子こそが、あなたの真の敵よ!!」
「あんた、何言ってんの!私は、琳吾さんの敵じゃないよ!敵は…『セカイを滅ぼす者』はヴァニラだよ!」
「俺は…。俺は…!」
「もう、じれったい!!早く、毒島リンゴを斬りなさい!!」
ヴァニラは、謎の光を琳吾さんに向かって放った!
「うわああああああー!!」
琳吾さんが苦しんでいる…。そして、琳吾さんの目から光が消えて…そして、私に斬りかかってきた!!
「待って、琳吾さん…!私の話を聞いて…!」
琳吾さんは、意識がなくなってしまって、何かに操られてるみたい…!
「無駄よ!私が彼を操っているから!初めは、あんたが敵だと信じ込ませて、二人とも共倒れさせるはずだったんだけど…まさか、王子様が現れるなんて…想定外よ。私、あんた達二人の名前、大っ嫌いなの!!だから二人して殺し合ってくれればよかったのに…!!」
「ヴァニラ…!」
「彼は、もうあんたを斬るまで戦うことをやめないわ!!たとえ、琳華の肉体が滅んだとしても!!」
「琳華先輩…?まさか…琳吾さんって琳華先輩なの!?」
「そうよ!今、ここにいる青島琳吾は、青島琳華の肉体に宿った魂でしかないの!!」
「そんな…。だから、琳吾さんでもあり、琳華先輩でもあるってことなんだ…!」
「さあ、これで二人とも終わりよ!!二人の『リンゴ』はここで消えるの!!」




