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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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不思議の国の有寿2

どこまでもつづく森の中を進んでいく私。白ウサギさんどこまで行っちゃったんだろう…。なんだか少しじめじめしてきたね…。足元を見ると赤や黄色や青やら、怪しい色のキノコが生えている。

 そして、私の目の前に私に背丈ぐらいある大きな白の水玉模様の赤いキノコが現れた!そのキノコの上には、緑色の大きなイモムシさんが水タバコを吸いながら座り込んでいた…!

「あんたは、誰だい?」

 イモムシさんは、私に全く興味がなさそうに聞いてきた…。なんか、このふてぶてしい態度…橘先生みたいだね…。

「私もわからないんです。自分が誰なのか…。」

「どう言うことだい?」

「自分の名前が思い出せないんです。」

「そんな馬鹿な。」

「何だかすごく変な感じで…。自分が違う名前になっちゃうなんて変ですよね…。」

「そうかね?」

「だって、イモムシさんだって、そのうちサナギになってチョウになりますよね?その時にきっと変な気持ちになると思うんです。」

「そういうものかね?」

「私だったら、そう思います…。」

「私って誰なんだね?」

 話がふりだしに戻っちゃった…。

「ごめんね。イモムシさん、私先に行きます。」


 イモムシさんに別れて、私は森の中を進む。


 その後もアリスの物語通りに、公爵夫人と召使いとブタの赤ちゃんに会って、それからチェシャネコは、先に会ったから飛ばされたみたいで…次は、イカレウサギと帽子屋と眠りネズミの狂ったお茶会に参加して…。


 どうしよう…。私、本当にアリスになっちゃったのかな…?それじゃあ、有寿ちゃんは、いったいどこにいるの?…やっぱり、ヴァニラの正体は有寿ちゃんなの…?そして、私の名前は…メアリ・アンでも、アリスでもなくて…!私は、いったい誰なのー!?


 やっと、長い森を抜けると、私の目の前には、色鮮やかなお花畑が現れた!お花畑の先には一面、緑の芝で覆われた広い広場…女王様のクロッケー会場だ!

 あれ?この緑の芝の上にぽたぽた落ちている黒い液は何だろう?私はその黒い液を指で触ってみると、指先が真っ黒になった…。これは、黒のインクかな?でも、どうしてこんなところにこぼれてるんだろ…?黒インクの点をたどっていくと…ウサギの絵が描かれた可愛らしいピンクの万年筆が落ちていた!でも、これ二つに折られてる…。黒インクは、この壊れた万年筆からこぼれたんだ!


『犯人発見ー!!犯人発見ー!犯人発見ー!』

 突然、私の周りをトランプの兵隊たちが取り囲んだ!?…え、犯人?

『女王様の大切な万年筆を壊したのは、アリスだー!女王様の大切な万年筆を壊したのはアリスだー!』

「ええええ!?誤解だよ、私は壊してないよー!」

『アリスを連行しろー!!アリスを連行しろー!!アリスを連行しろー!!』


 私は、トランプの兵隊たちに捕まえられてしまった!私は壊してないよー!それに、私はアリスじゃないよー!私はいったい誰なのー!?


 

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