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セカイ防衛少女毒リンゴ  作者: 苺鈴
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澪門有寿のセカイ4

「ヴァニラさん…?」

「ねえ、有寿ちゃん、もう一人の当番の子は、どうしたの?」

 何で、私の名前知ってるんだろう?

「…もう一人の子は部活があるから、いつも私一人でやってるの…。」

「ふーん。有寿ちゃんていつも一人でいるよね。さみしくないの?」

「え、ええと、その…さみしいとかよくわかんなくて、私ずっとひとりぼっちだったから…。一人でいることに慣れちゃったんだ…。」

「どうして、有寿ちゃんは、ずっとひとりぼっちだったの?」

「それは…。」

 小学生の時に…。

「私、知ってるよ。有寿ちゃんて、小学4年生の時に一番仲良かった子にいじめられたんでしょ?」

 何で…そのことを知ってるの…!?

「酷い子だよね…。自分が好きだった男の子が有寿ちゃんのこと好きになったってだけで、有寿ちゃんをいじめたんだもんね!女って怖いよね…。女は、気に入らない相手を蹴落とすためなら何でもやるからね…。シンデレラの継母と義姉達は、野ねずみたちがリメイクしてくれたお母様のドレスを引き裂いたし、ガラスの靴を割ったよね。白雪姫の女王様は、自分が世界で一番美しい存在になるために白雪姫を殺そうとしたよね。」

「…そうだね。」

「あ、でも。有寿ちゃんは『ひとりぼっちだった』って過去形で言ったよね。じゃあ、今はひとりぼっちじゃないの?」

「…うん。クラスは違うけど…ももちゃんとりんごちゃんは、私の友達になってくれたの…!だから、今の私は、もうひとりぼっちじゃないよ…。」

「本当に二人は、有寿ちゃんのこと友達だと思ってるのかな?」

「…どうして、そんなこと言うの?」

「本当は、二人は陰で有寿ちゃんのこと馬鹿にしてんじゃないの?あの子、いつもひとりでいて可哀想だって見下してるだけじゃないの?有寿ちゃんの一生懸命書いてる童話のことだって二人はもう忘れてるかもしれないよ?」

「…二人は、そんな子じゃないよ。二人のことを悪く言わないで…!」

「あの子もそうだったでしょ?あなたの一番仲良かった子も、あなたと仲良くしているふりをしながら陰で有寿ちゃんの悪い噂を流して、クラスで孤立させて、仲間外れにして、有寿ちゃんの物を隠して、有寿ちゃんの大切にしていたおばあちゃんの形見の万年筆を壊したのもあの子だよね?」

 そうだけど…。だけど…ももちゃんと、リンゴちゃんは…!

「それで、有寿ちゃんはこの『セカイ』に絶望して童話の『セカイ』に逃げてきたんでしょう!大丈夫だよ、有寿ちゃん。私が有寿ちゃんの願いを叶えてあげる。有寿ちゃんをいじめたり、裏切ったり、傷つけたり絶対にしない『セカイ』を私が作ってあげる!!」

 ヴァニラさんは、突然、私に向かって謎の光を放った…!?

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