リンゴとセカイ
放課後。中間テスト2日が終わり、私は本格的に『SDガ●ダム苺大福フルバーニアン』ちゃん探しをはじめた。次の犠牲者が出る前に見つけ出さなくちゃ…。
私が廊下を歩いていると、廊下に座り込んでいる苦しそうな男の子を見つけた!まさか『SDガ●ダム苺大福フルバーニアン』ちゃんにやられたのかな!?男の子の元へ駆け寄る。
「君、どうしたの?何があったの?」
その男の子は、中等部の制服を着ていて、プラチナブロンドの短髪で、赤い瞳の綺麗な顔立ちで…でも、とっても苦しそうで、顔は真っ青で、目は伏し目がちで、呼吸が荒くて発作をおこしているみたい…。
「ねえ、君、どこか具合が悪いの?」
男の子の赤い瞳が、私の顔を見ると、伏し目がちな目が一瞬、大きく開き輝いた。
「君…は…リンゴちゃん…?」
「え!?どうして、私の名前を知ってるの…?」
男の子は、気を失ってしまった。私は、男の子の体を支える。
「どうしたの!?しっかりして!!」
その時、廊下から、保健室の深沢先生がやってきた!
「セカイ君!だめじゃない、勝手にベットから起きちゃ…!あれ?あなたは、たしか毒島さんだっけ?お願い、その子を保健室へ運ぶの手伝ってくれない?」
「あ、はい!」
私は、深沢先生とセカイ君を保健室のベットへ運ぶのを手伝った。この子、セカイ君て言うんだ…。セカイ君は保健室のベットの上で点滴を受けて寝ている。発作はおさまったみたい…。
「ありがとう、毒島さん。この子は、中等部2年1組の烏丸セカイ君。」
「烏丸って、もしかして…。」
「この学園の現学園長の息子さんよ。初代の学園長の実のお子さんは戦争で亡くなったけど、孤児の子を1人養子にしたの。その養子の子の孫に当たるのが、セカイ君なの。」
「へえ…。セカイ君てどこか具合が悪いんですか?」
「セカイ君は生まれつき体が弱いの。それで、学園へも入学してからほとんど来てないの。今日は、テストを受けに来たんだけど、体調が優れなくてずっとベットで寝ていたの。それが、私が目を離した途端に居なくなっちゃって…。」
「そうだったんですか…。セカイ君、何で私の名前知ってたんでしょうか?」
「毒島さんが編入してきたことを聞いていたんじゃないの?この時期に編入なんて珍しいから。」
セカイ君…。どこかで、会ったことがあるような…ないような…。
私は、保健室を出て『SDガ●ダム苺大福フルバーニアン』ちゃんの捜索を再開した。この呼び方なんとかならないのかな…。あれ?誰か、こっちに向かって走ってくる!?
「リンゴ―!もう、どこにいたのよ!今日は、私と図書委員の当番の日でしょ!」
「ああー!ごめん、もも。すっかり忘れてたよ…。」
私とももは、図書委員なんだよ。
「リンゴ、帰りのホームルーム終わったらすぐ、いなくなっちゃうんだもん!ほら、早く図書室へ行くよ!!」




