リンゴと千恵莉
夜、寮の自室で勉強中。もうすぐ中間テストなんだ。数学の問題を解きつつ、頭の中は『SDガ●ダム苺大福フルバーニアン(長い…)』ちゃんのことで、いっぱいなんだけど…。いったい、誰なんだろう?制服は、中等部ぽかったけど…。制服といえば、やっぱり、私の制服の犯人は、この子なのかな…?あああー勉強に集中できない…!!
私のケータイが鳴る。誰からだ?…千恵莉ちゃんだ!
『もしもし、千恵莉だよ!リンゴちゃん、ひさしぶり。今、大丈夫?』
「うん。ひさしぶりだねー。そっちは、もうテスト終わった?」
『ううん。来週からなの。でも、なんか全然勉強に集中できなくて…。リンゴちゃんは?』
「こっちも来週からなんだけど、私もちょうど、数学の問題で行き詰っちゃってて。」
『あはは。じゃあ、ちょうど良かったね。学校にはもう慣れた?』
「うん。クラスの子もみんな良い子達で、友達もできたんだ…。」
『良かったね!そういえば、制服はもうできた?』
「…えーと。それが…いろいろあって前の学校のままでいいことになったの。私、この制服結構、気に入ってたから…!」
『(リンゴちゃんの声が少し暗くなった気がする…。)そうなんだ…。リンゴちゃんの新しい制服姿見たかったなー。』
「ごめんね…。約束したのに…。」
『ううん!別に気にしないで、こっちが勝手に言ったことだから…。あ、そーだ。リンゴちゃん、テストが終わったら一緒に遊ばない?私、学園行きのバスを調べたんだけど、金曜日に駅行きのが出てて、日曜日に学園行きのバスがあるでしょう?だから、金曜日にリンゴちゃんがこっちに来て、私の家に泊まって、日曜日のバスでそっちに戻ればいいんじゃないかと思うんだけど…。』
千恵莉ちゃんの家にお泊り…!?
「千恵莉ちゃんには会いたいけど…2泊もさせてもらったらお家の人に悪いよ…。」
『ううん、気にしないで!親にはもう話してあるから。うち、共働きでお父さんは単身赴任で、お母さんも土曜日は帰りが遅いから、家に誰かいてくれると心強いんだ!だから、リンゴちゃんさえ、よければいつでも大歓迎だよ!』
「本当に…?」
『うん!じゃあ、都合のいい日がわかったらまた連絡してね!』
「ありがとう。勉強に俄然やる気がでてきたよ!」
『あははは。私も!それじゃ、またね。』
「うん。電話ありがとう。じゃあね。」
電話を切る。友達の家にお泊りするなんて生まれて初めてだ…!どうしよう…。今から楽しみすぎる…。とにかく、今は勉強しなきゃ!




