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セカイの危機と少女
セカイは危機にひんしていました。ある大きな闇がセカイを滅ぼそうとしているのです。でも、その危機に誰も気づいていません。今日が終われば明日が来るとみんな信じているからです。誰も明日が来ないなんて考えないからです。それでもセカイは滅ぼされようとしています。けれど、だれも気づきません。
だから、当然、リンゴも気づかなかったのです。
毒島リンゴは、自分の名前が嫌いでした。この名前のせいでこの14年の人生の中で何度からかわれたことか…。そもそも毒島って苗字だけで相当ネタにされる要素なのに(←あくまで個人の見解です。全国の毒島さんごめんなさい。)、リンゴって…。毒島の毒と、リンゴで「毒リンゴ」。白雪姫に死をもたらした「毒リンゴ」。そんな呪われた名前。
どうして両親は彼女にそんな名前をつけたのか?リンゴはそれを知ることはできません。だってリンゴの両親は、リンゴがこの名前の由来を聞く前に死んでしまったからです。