21.敗北に成長を添えて
「…どうだった?」
落ち込むライカにベルカはそう声をかける。
ライカは俯き、答えなかった。
「……まぁ、まだまだ初心者だからね。そもそもレベルが100近く違うんだし…」
「どうすれば…勝てるの?」
ライカは呟く。独り言のように。
その声には明らかに諦めのようなものが混ざっていた。
「…2つある。1つは純粋にレベルUPを目指すもの。そして、もう1つは『防御』を覚えること」
ベルカはライカにそう言う。
ライカはベルカに顔を向け、そしてコクっと首を傾げた。
「『防御』だよ。実は…私なりにライカの能力について研究してたんだけど…一緒に研究してみる?」
ライカは考えた。
…防御…防御?
「その『防御』って、私オリジナルのものになるの?」
「まぁ…あんまり使われないスキルを試しまくる感じになるかな」
「じゃあ、やる」
謎の信条に従って、ライカは即断した。
メジャーなものを嫌うタイプなのである。
ベルカはライカを連れ、自分の居城に来ていた。
城の2階の端の部屋へ入る。
そこには整えられた白い文字がたくさん書かれている黒板と、向かい合う形で配置された2つの椅子があった。
ライカはベルカに促され、椅子に座った。
「私が可能性あるなって思ってる防御は3つあるの。でまあ…その前に、一般的な防御について教えようか」
ベルカは黒板をコツコツ叩き、そう言う。
「ん…んー…別に一般的な防御の話は要らないかも…」
どうせ使わないし。
「…アンカーの防御を破るには、その弱点を知る必要がある。違う?」
「うっ…」
その言葉にライカは納得した。
「じゃあ、まず前提から。それぞれの役職にはそれぞれの得意防御がある。例えば…暗殺者や商人なんかの多くは部分魔法防御って言われてる防御方法を採ってる」
そう言い、ひょいとチョークを上に投擲し、ベルカはそれに手を翳す。
コツンと当たると同時にベルカの手の先は青白い爆発を起こす。
チョークは粉々に砕け、舞った。
「近接武器への対処に特化してるから、ライカには要らないかもね。で、アンカーが使ってるのは魔法使いの2番目人気の防御方法…その改良型よ」
「改良型?2番目人気?」
ライカは小首を傾げた。
いきなりそんなことを言われても理解できないのだ。
「順を追って説明するね。まず、その防御方法はこういう感じの防御なの」
またベルカはチョークを上に投げる。
チョークはそのまま宙を舞い、ベルカの頭に当たる…その直前にベルカはシュッと消えた。
「どう?」
ベルカは後ろからそう声をかけてきた。
「……瞬間移動の防御…それで、改良って?」
ライカは予期していたと言わんばかりに平然とそう聞く。
「ズバリ、匪獣種の固有特性を応用した、敵後方への瞬間移動よ」
ベルカはそう言い、ツンツンとライカのうなじを指で突っついた。
何気に色んな防御方法をしれっとやれるベルカってかなり強いのでは?




