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10現実?幻覚?

とても明日の朝までひとりでいることは出来そうにない。

自分が何をしでかすかわからない。

ひとりでいるのは危険だ。


そうだ!

薬だ!


どうしようもない時に飲んでくださいと言われていた医師の言葉の意味が今やっとわかった。


今がそのどうしようもない時そのものだ。

急いで薬を2錠口に入れ水で流し込む。


今夜は誰かに一緒にいてもらわなければ不安で仕方がない。


スマホは無くなってしまったが、家の電話から母に今晩一緒にいてくれないかとお願いしてみようか?


迷っているうち、薬が効いてきた気がする。

気持ちが少し落ち着いてきた。


薬がこんなにもありがたいと思えたのは初めてだ。即効性があった。


5分も経たないうちに心が落ち着いてきて、強い睡魔が訪れそのまま深い眠りに入っていった。


午前4:00

目が覚めると薬のせいだろうか頭が痛い。

外はまだ暗い。


気分はそれほど悪くはないが、今日病院に行った方がいい気がする。


昨日の出来事や今の状態を担当の医師に話しておきたい。

何て思われるかそんなこと気にしていてもしょうがない。


その後、病院が終われば今日は両親の家に泊めてもらおう。


電車で乗り換えも含めると2時間半はかかるが、支払いのことなども正直に話しておかなければならない。


情けないが、助けてもらうより仕方がない。


この症状が治ればまた仕事を探して親孝行をさせてもらう。

今は助けてもらわなければならない時だ。


できるだけ両親には心配かけたくないが、他に選択肢はない。


病院に行く準備をしていたが、あの老人とあの声のことが気になって仕方がない。


今の私の状態を考えれば、何も考えないことがいちばん大切なことだとは思うが、頭から離れてくれない。


老人は現実だと思うが確信は持てない。でもあの声はどう考えても幻聴のように思えてくる。


わからないのは、老人が振り向いて私を見て軽く頷いた時のあの表情だ。


私があの声を聞いたことが分かっていたような、すべてを知っていたような表情だった。


どうしよう?


こんなことを医師に話してしまうと、初診の時に聞かされたレビーなんとかという新しい病名を付け加えられてしまうはずだ。


医師がこんな話をまともに聞くはずはない。


頭の中に葛藤が持ち上がる。

今日、本当に病院に行くべきだろうか?


すべて話してしまうと入院を強制される可能性もなくはない。


確かめなければ...


現実か幻覚、幻聴か?

それからでも遅くはない。

はっきりすれば、たとえ入院になっても納得していられる。


もう一度、あの海に行ってみよう。

そうするべきだ。


スマホはないが、デジカメは持っているのでそれを持っていこう。

あの声が幻聴かどうかは、確かめようもないが、でもあの老人が現実か幻覚かだけでもはっきりさせたい。


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