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大人なんですからそれくらいできて当然

ルリアもハカセも、


『自分は我慢しないのに他の誰かには我慢させようとする』


みたいな大人のズルさをよく知っているからこそ頭ごなしに『我慢しろ』とは言いません。ましてや言葉も分からない今のミコナにそんなことを言ったって理解できるわけないじゃないですか。


我慢してもらうにしても、ちょっとずつちょっとずつ慣れてもらえばいいだけじゃないですか? ミコナが、


「ん~……」


ってぐずりそうになるレベルのそれに、ちょっとずつちょっとずつ慣れていってもらう感じで。


さすがに『何一つ嫌なことがない』という状況を作り出すのは難しいですから。ハカセでもそんなのは用意できません。


頭を流そうとしたお湯がつい顔の方にかかってしまって、


「ふえ……」


ミコナが顔をくしゃくしゃってさせたのを、


「ああ、ごめんね。ごめんね」


と声を掛けます。こればっかりは我慢してもらうしかない。


その上で<相手を気遣う姿勢>というのも手本として見せるんです。


そうしてハカセは、ミコナをとても気遣いながら洗って泡を流して改めてお湯を確かめてそれからベビーバスに浸けます。その時のミコナの、


『ほわ~』


っとした表情。もしかしたらルリアのお腹の中にいた時のことを思い出してるのかもしれませんね。


「……」


そんなミコナを見つめるハカセの表情もすごく柔らかく緩みっぱなしで。


でもしばらくするとミコナが手足を動かして。まるでお風呂からあがろうとしてるみたいに。


そこでハカセはミコナをお湯から上げて体をそっと拭いて、


「ルリア、お願い」


お風呂のドアを開けて声を掛けました。そしたら他の用事をしていたルリアが駆けつけて、


「はい」


と、バスタオルを広げてそこに受け取ってリビングに戻りました。


それを見届けたハカセはベビーバスをさっと洗って今度は自分が湯船に浸かります。体はミコナを洗う前に洗ってありましたから。


そうしてルリアとハカセは連携してミコナの世話をしていました。お互いに得意な部分で、ミコナを怖がらせたりしない形で。


もちろん母乳を与えるのはルリアしかできませんけど。


お風呂から上がるとまた授乳します。だけどそれが終わったらミコナが、


「む~っ!」


って感じで難しい表情になって体に力が入って、


「あ、ウンチした」


臭いで分かってしまいます。せっかくお風呂に入ったのに。だけどハカセは慌てません。


「いいよ。せっかくだからまたお風呂でお尻を洗おう」


と言って一度着たパジャマを脱ぎます。


『せっかく着替えたのに!』


みたいにイライラしたりしません。そんなことでイライラしたって何にも意味がないからです。ミコナのお尻が綺麗になるわけじゃありません。必要なことを必要な形でするだけです。


大人なんですからそれくらいできて当然ですよね?



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