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当たり前を実行してるだけ

だけどこの時はまだかぷせるあにまるを作るための着想を得ただけでした。それよりは目の前のミコナのことに集中します。


お風呂に入れる時も集中して丁寧に怖がらせないように心掛けて。自分じゃ自分の身を守ることもできない今のミコナを乱暴に扱ったりなんておかしいじゃないですか。自分が寝たきりとかになってそれで抵抗もできない状態の時にそんな風にされて嬉しいですか? 嬉しくないですよね?


だったらそういうことですよね?


ハカセはその当たり前を実行してるだけなんです。


相手が『痛いから嫌』『怖いから嫌』だと思ってることを自分の楽しみのためにやったり自分が手を抜くためにやったりそれっておかしくないですか?


少なくともハカセはそれをおかしいと思うんです。注射とか怪我や病気の時の治療とかで痛かったり怖かったりは仕方ないとしても。


今のミコナには泣く以外にできることはありません。自分の身を自分で守ることも痛いこと怖いことに抵抗することも。そんなミコナに対してわざと痛いことや怖いことをする意味がありますか?


大人であるハカセがミコナに何か危険な攻撃を受けることがありますか? 身を守らなきゃいけないようなことが今のミコナにできますか? できるはずがありませんよね?


それどころかほんのちょっとしたことで死んでしまうような弱々しい存在でしかないんです。そのミコナ相手になぜ怒鳴ったり叩いたりしないといけないんでしょう? 怒らないといけないんでしょう?


自分に分からない言葉で怒られたって何を怒られてるのか分からないですよね?


それにミコナが泣くのは<泣かなければいけないこと>があるからです。それがなければ泣く必要もありません。


違いますか?


赤ん坊はとても弱い存在です。ちょっとしたことで死んでしまったりします。大人にとってはそれこそ何てことないものでも赤ん坊にとっては命取りだったりするんです。だから何か異変があれば泣いてそれを報せようとする。


それなのに無視されたりしたらどう思いますか? 自分が必死に助けを求めてるのに無視するような人のことをどう思いますか? そんな人を信頼とかできますか?


ハカセはそういう人を信頼できないと感じます。だから自分はミコナにとって信頼できる人であろうと努力するんです。彼女が訴えてくることをきちんと理解しようと努力するんです。そしてそれはハカセにとっては当たり前のこと。


「もう大丈夫だからね。お父さんがついてる。心配要らないよ」


ミコナをあやしながらハカセはそう語り掛けます。信頼してもらうには信頼に値する行いをやって見せるしかないんです。



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