魂の座
できない人にはできないのかもしれませんけど、ルリアもハカセもそれができるんです。できるからするんです。それだけの話。
たとえ自分が寝てる時でもミコナが泣いたら飛び起きて、ハカセはオムツを替えてルリアを起こして母乳を与えて、ルリアには先に寝てもらって、げっぷをさせて寝かしつけて。というのをしました。ミコナが泣きだしたら放っておきませんでした。
こんな世界に来てもらったんです。守るのは当たり前です。ミコナが自分で自分のことができるようになるまで代わりにルリアとハカセがするんです。
しかもハカセにとっては貴重な経験。マナの流れや反応についても詳細に調べたりもしました。せっかくの機会なんですから。
赤ん坊であるミコナと大人である自分やルリアではマナの流れに違いがあることも自ら確認しました。これもまた後のかぷせるあにまる作りの参考になってます。
赤ん坊と大人のマナの流れに違いがあることは前から分かっていました。多くの専門家が研究をしているけれどそれがなぜかはまだ分かっていません。
ただ推論として、
『赤ん坊は大変な勢いで成長していることで逆にマナに影響を与えているのかもしれない。大人は成長が止まっているのでそれほどの力が失われている』
というのは言われていました。ただそれが本当なのかどうかが確かめられていないんです。確かめようにも分かるのは赤ん坊はマナの流れが激しく大人はそうじゃないというだけ。
だからハカセはマナ転換炉を使ってわざとマナに強い流れを生じさせました。もちろん大きなマナ転換炉でもそれは起こるんですけど、大きなマナ転換炉ではただエネルギーに転換されるだけ。
だけど小さなマナ転換炉で強い流れを作った時には赤ん坊のミコナの体に生じていたマナの流れと同じものが生じたんです。
その<マナの流れ>が何を意味するものなのかはまだはっきりとは判明していませんけれど、でも明らかに、
<魂の座>
としての機能を持つとの確信はありました。だからそれを試したんです。それこそが<かぷせるあにまる>です。
ただ依代に帰ってきた魂を憑依させるだけじゃなくて、たぶん別の魂が同時に宿ってしまった。それがウルでありティーさんでありガーでありオウでありフカだったのでしょう。そしてこのせいでルリアの魂が一つのかぷせるあにまるに収まりきらずに分割されてしまった。
いえ、厳密には分割されたわけじゃなくて、五体のかぷせるあにまるを一つの依代として憑依したと言った方が近いのかもしれませんね。
あくまで<依代として機能するロボット>として成立させるだけならそこまで強いマナの流れを作る必要はなかったんでしょう。
その部分を改良したのが完成品のかぷせるあにまるだったわけですね。




