踏みとどまることができました
そのしっかりとした土台があったからルリアが亡くなった時も踏みとどまることができました。
ハカセにもちゃんと愛されてる実感があったから耐えることができました。ハカセが支えてくれるのが分かってましたから。ハカセと一緒にいれば大丈夫だって幼いながらに彼女は分かっていたんです。
いくら魂が帰ってくることがあると分かっていても、それは決して『必ず』という形で保証されているものじゃありません。ハカセには確信があったみたいですけど、だからといって絶対じゃなかったんです。魂が帰ってこないことも確かにある。
幸いルリアの魂は帰ってきてくれましたけど、それはあくまでルリア自身に強い未練があったから。そしてハカセとミコナに強い想いがあったから。その両方が合わさってルリアの魂は帰ってくることができました。
まあ最初は完全には上手くいきませんでしたけど。
ミコナが朗らかでいられるのはそういう背景があればこそのものでした。そこまで面倒なことは考えたくないと普通は思うかもしれませんけど、でも、人間を育てるのですから何も考えないでその場の思い付きだけでやってて上手くいくと思いますか?
その場の思い付きだけで生きてるような人に対してどのような印象を持ってますか?
あまり好ましい印象を持ってないのでしたらそういうことでしょうね。なによりいろいろな状況に対応する時には考えなきゃいけないんじゃないでしょうか。それを面倒だからって考えたくないというのは果たしてどうなんでしょう。少なくともルリアもハカセもそれでいいとは思っていませんでした。その場の思い付きだけで行動してそれで失敗したら『他の誰かが悪い!』とか考えるような子になってほしくなかったんです。
だからちゃんと手本を見せなきゃと思ってました。
ミコナは『自分が楽しめれば他の誰かが迷惑に感じてても構わない』と考えることがありません。だからって何もかも我慢するわけじゃありませんけど、少なくとも禁止されてる場所で禁止されてる遊び方をするようなことはありません。
大声を出すのが憚られるような場所や時間帯で大声を出してということもいいことだとは思ってません。それはルリアやハカセがそういうことをしない人だったからですね。『大声さえ出さなければいい』というのも違います。
自分の都合ばかりを優先して決まり事とかを無視していいわけじゃないと考えてるんです。自転車に乗ってる時だって、バイクに乗ってる時だって。スピードを出して一分や二分早く着いたからって、それはただの自己満足ですよね? ただの自己満足のためにルールを無視して他の人を危険に曝すことを正しいとは思ってませんでした。




