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しっかりとした土台の上に

『子供がどんな人間になるかは生まれつき決まってる』


タムテルの母親はそう思ってるみたいですけど。


『自分はこんなに努力してるのに子供がこの程度とか、おかしい』


そう考えてるようでした。


『これだけ頑張ってるんだから子供ももっと優秀なのにならなきゃおかしい』


という感じですね。何を努力と考えるかは人それぞれでしょうからそれは置くとしても、


『努力したから相応の結果が出るのが当然』


と考えるのはいささか無理があるんじゃないでしょうか。だってそうですよね? スポーツのプロ選手を目指してる人は多くが大変な努力をしているはずです。だけどその全員がプロになれるわけじゃありませんしたとえプロになれたとしても全員が同じように活躍できるわけじゃありません。


『努力しなければ結果は望めない』


ですけど、


『努力さえすれば必ず報われる』


わけでもないんです。


『努力さえすればその努力は必ず報われる』


とは限りません。ましてや『努力してるつもり』だったり、『適切な努力じゃない』場合は。タムテルの母親は努力してるつもりで適切じゃない努力をしていたパターンでしょう。それでは上手くいくはずがない。


スポーツ選手でも適切じゃないトレーニングを無茶な形で続けていたら力を伸ばすどころか体を壊して選手生命そのものが絶たれてしまったりもしますよね。それと同じことじゃないでしょうか。


ただただ大きな声で威圧的に命令するだけが努力なら誰も苦労はしません。


ルリアとハカセはそれも分かっていました。だから丁寧に接することを心掛けたんです。ミコナが安心してこの世界を楽しめるように。楽しめれば心に余裕もできていろんなことが頭に入りやすくなる。


勉強だって遊びの一環でやってただけですしね。


猫のルリアとはまだまだ仲良くなれそうにありませんけど、それは決して大きな問題ではありません。誰とでも何とでも必ず仲良くなれるなんてミコナも思ってませんから。


ミコナの方から積極的に誰かを嫌うことはしませんけど、相手が距離を置こうとしているのならそれを無理に詰めたりもしません。わざわざそんな事をしなくても彼女は満たされています。


誰からも自分を認めてもらわないと不安になる。


そんなこともありません。だってミコナはルリアとハカセに受け止められていて認められていて愛されていますから。愛されている実感がそれこそ赤ん坊の頃からありましたから。


そうすると誰かに無理に認めてもらおうとしなくても愛してもらおうとしなくても平気なんです。


ミコナにはこの世界にしっかりとした土台があるんです。そのしっかりとした土台の上に彼女は立っています。



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